(写真はイメージ/GettyImages)
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 義理の母親に、料理の味つけや子どもに与える小遣いの金額など、家事や子育てに口を出されて困っている人も多いのではないだろうか。心理カウンセラーで「自分中心心理学」を提唱する心理相談研究所オールイズワン代表の石原加受子さんは、「『私が○○なんだから、あなたも○○するべき』という価値観の押し付けは、嫁姑の間でも頻繁に見られます」と話す。石原さんが監修した『心理学でわかる 女子の人間関係・感情辞典』(朝日新聞出版)から過干渉な姑の心理と対処法を紹介する。

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 実家を捨てて他家に嫁ぐという感覚が強かった時代には、使用人のようにコキ使うなど露骨な嫁いじめがみられたが、現代の嫁姑問題は、姑の過干渉によって引き起こされることが多い。

 具体的には、子どもに与える小遣いの金額や食べ物の質など、育児方針の違い。ほかに料理の味つけ、同居するかしないかでもめる、というおなじみのパターンも健在だ。

 義母が過干渉にならないようにするには、夫が姑である母親との間に明確な線を引き、妻と子どもとの絆を強め、夫婦の信頼関係を築いたほうが早い。

 嫁姑問題の解消には夫の協力が不可欠であるが、「母親の悪口」を言うと反発されて夫婦ゲンカになる。義母には夫の母親としての敬意を払おう。夫には母親と明確な線を引いてもらい、自分の意見を言う必要があるときは、夫に任せるよりも、自分で率直に伝えるほうが、こじれない。いざというときのためにも、日頃から、感謝の気持ちは伝えていきたい。

■嫁姑問題の根本にあるのはオトコの取り合い

 「私が○○なんだから、あなたも○○するべき」という価値観の押し付けは、嫁姑の間でも頻繁に見られます。共働きの是非や子育て方法、箸の上げ下げにいたるまで、あらゆることが対立の材料になりえます。

 嫁姑問題の根本にあるのは、息子であり夫であるオトコの取り合いです。彼がきちんと間に立って、自分の考えを明確にすれば解決できるはずですが、面倒がって放置するケースがほとんど。「嫁と姑は仲が悪くて当たり前」という刷り込みも影響しているかもしれません。

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競争心を相手への攻撃に使うと人間関係が壊れてしまう