(写真はイメージ/GettyImages)
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 金融商品を選ぶ際は、1年あたりの平均の利回りを比較して、損か得かを判断する必要がある。「利回り」や「率」を理解しておかなければならないが、少々複雑。子どもの環境・経済教育研究室代表・泉美智子さん著、ファイナンシャルプランナー奥村彰太郎さん監修の『今さら聞けない投資の超基本』(朝日新聞出版刊)から、初心者にもわかりやすい利回りと利率について解説したい。

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 投資をする上でぜひ知っておきたいのが、「利回り」という考え方です。よく知られている「利率」は、元本に対して受け取れる利益(利息)の割合のこと。これに対して利回りは、投資金額に対して得られた利益の割合です。普通は1年あたりの平均利回りのことをいいます。

 例えば株式を100万円で買い、5年後に売却した際、配当金と売却益を合わせて120万円得られたとします。この場合の利益は100万円に対して20万円ですから20%。これを5年で割ると4%です。

 ですからこの株式の利回りは4%ということになります。なお、利回りは実際には税金も含めて計算します。

 利益(利息)には、「単利」と「複利」の2種類があることも、知っておくべきです。元本に対してのみ利息がつくのが単利。そして、「元本+利息」に対してさらに利息がつくのが複利です。単利にするか複利にするかで、長い目で見ると大きな差が出てきます。

■利率、利回り、予定利率、返戻率それぞれどう違う?

 預金や保険、投資などの金融商品には、利率や利回り、予定利率などのいろいろな「率」が使われます。表面的な率だけで損得を判断するのは危険。それぞれの率はまったく異なった意味合いがあることを理解しておく必要があります。

 「利率」は、1年間にどのくらいの割合で増えるかを示したものです(年利)。利息が利息を生み1年複利で増えると利回りが高くなります。

「利回り」は、一定期間にどのくらい利益が増えるかの割合を年平均したもので、1年平均してどのくらい増えたかを「率」で示したもの。

「予定利率」は、保険契約者が支払った保険料から諸経費を引いた額に対して示した運用利回りのこと。

「返戻率」は、期間は関係なく満期にどのくらい増えるかを示したものです。学資保険などで「戻り率」と表示していることもありますね。

■3%で4年間運用した場合の利率、利回り率、予定利率、返戻率を比較

 ……と言葉で説明してもピンとこないかもしれません。実際に計算すると、以下のようになります。

【利率3%⇒利回り換算3.13%】

1年後 1,000,000円×3%=利息30,000円

2年後 (1,000,000円+利息30,000円)×3%=利息30,900円

3年後 (1,030,000円+利息30,900円)×3%=利息31,827円

4年後 (1,060,900円+利息31,827円)×3%=利息32,781円

※元利金合計は1,125,508円(元金1,000,000円+4年間の利息合計125,508円)、利息合計125,508円÷元金1,000,000÷4年×100=利回り3.1377%

【予定利率3%⇒利回り換算2.5%】

 一時払い保険料1,000,000円を支払って4年後に満期金1,100,000円を受け取った場合。

※元利金合計は1,100,000円利息合計100,000円÷元金1,000,000÷4年×100=利回り2.5%。ただし、支払った保険料すべてが予定利率3%で運用されるわけない点に注意。

【返戻率3%⇒利回り換算0.75%】

 受け取った1,000,000円が4年後に1,030,000円になった場合。

※元利金合計は1,030,000円。利息合計30,000円÷元金1,000,000円÷4年÷100=利回り0.75%。

(構成 生活・文化編集部 上原千穂)