夏は“汗のかき過ぎ”でドロドロ血になりやすいので注意が必要です ※写真はイメージです (c)GettyImages
夏は“汗のかき過ぎ”でドロドロ血になりやすいので注意が必要です ※写真はイメージです (c)GettyImages

 血行不良は寒い冬に起こりやすいイメージがありますが、実は夏も多量に汗をかくことなどが原因で血行が悪くなることがあります。血行不良はさまざまな不調の要因となり、脳や心臓の病気を招く心配も。そこで本記事では、日本の漢方のルーツである中国の伝統医学「中医学」をもとに、【夏の血行不良対策】を4つのタイプ別に分かりやすく説明します。暑い夏を元気に乗り切るためにも、日々の養生でスムーズ血流を保ちましょう。

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■夏は“汗のかき過ぎ”でドロドロ血に

 脳梗塞や心筋梗塞といった血流に関わる病気は、寒い冬に多いと思われがち。ところが、実際には暑い時期にも多く見られ、特に脳梗塞は夏に発症しやすいことがわかっています。

 その主な要因は、暑さによる汗と熱。たくさん汗をかくと体内の「津液(しんえき)」(潤い)」が不足し、血液が濃縮してドロドロ血の状態に。また、身体の熱を放出しようと血管が拡張し、血流が緩慢になることもあります。こうした“ドロドロ血がゆっくり流れる状態”が血栓を招き、脳梗塞や心筋梗塞などの血管疾患を起こしやすくなるのです。また、脳の血流の悪化は「熱中症」の要因にもなるので注意が必要です。

 一方、中医学では、汗をかくと津液と一緒に体内の「気」(エネルギー)も消耗すると考えます。気は血と一緒に体内を巡り、血を推し流すエネルギー源。そのため、たくさん汗をかくとドロドロ血に加えて血流を促すエネルギーも不足し、血行不良を起こしやすくなるのです。この他、暑さによる体内の熱、夏の冷え、慢性的な「お血(おけつ)」なども、夏の血行不良を招く要因となります。

 また、“汗は心(しん)の液”とも言われ、多量の発汗は「心(しん)」のダメージに。ドロドロ血が心の負担となり、動悸や息切れ、心筋梗塞といった心疾患を招きやすくなるため、中医学では“夏は心(しん)を大切にする時期”とされています。

■タイプ別 夏の血流改善ケア

 夏の血行不良は発汗による津液(しんえき)の不足が主な要因ですが、水分補給だけでは改善できないことも。自分の体質にあった養生を心がけ、スムーズ血流で夏を元気に過ごしましょう。

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汗をかきすぎると、体内の潤いとエネルギーが消耗