夏休みが始まった。これから1カ月の長丁場、どうやって間を持たせようか、と頭を悩ませている保護者も多いのではないか。自由研究を兼ねて、あるいはレジャーで、昆虫採集を予定しているなら、人気の昆虫たちの生態をちょっと調べておくだけで、採集できる確率が高くなる。
累計1350万部突破の「科学漫画サバイバル」シリーズは、今夏、人気タイトルの『昆虫世界のサバイバル』(全3巻)を改訂。最新の研究成果を反映しているほか、昆虫たちをよりリアルに描き直した。この『昆虫世界のサバイバル』から、子どもに「スゴイ!」とほめてもらえる、昆虫をめぐるトリビアを紹介したい。
■昆虫はLEDライトには寄って来ない
夜、街灯などに虫が集まっている光景を見たことがある人は多いはず。これには紫外線が関係しているということをご存じだろうか。紫外線は、太陽の光や月明かりのほか、白熱電球や蛍光灯からも出ていて、人間の目には見えないけれど昆虫にはわかる。昆虫が街灯に寄ってくるのは、街灯が紫外線を出しているからだと考えられる。
LEDライトからはほとんど紫外線が出ないので、昆虫はあまり寄ってこない。昆虫が光に集まる性質を利用して採集する方法を「灯火採集」と言うが、このことを知っていれば、子どもには「このライトには虫たちは寄ってこないよ」とアドバイスでき、「その理由はね」とうんちくも披露できる。採集には、紫外線を含む光を発するHIDライトや白幕などを用意して、昆虫が飛んできそうな場所に設置し、じっと待つのがおすすめだ。
■カブトムシが夜行性なのは誰のせい?
カブトムシは、クヌギの樹液が大好き。そしてオオスズメバチも、クヌギの樹液が大好物だ。カブトムシは夜行性、オオスズメバチは昼行性だが、クヌギの樹液が出ているところに両者が同時に集まってしまうこともある。
カブトムシは競争者であるオオスズメバチを避けるために、夜行性の生活を強いられているのではないか、という説がある。