佐藤二朗(撮影/写真映像部・東川哲也)
佐藤二朗(撮影/写真映像部・東川哲也)

■「書く」欲求は我慢せず

──俳優、MC、コラムニストといった多くの顔をお持ちです。それぞれの仕事で向き合い方に違いはありますか。

佐藤:昔から「演じる」欲求とは別腹で、「書きたい」という欲求があるんです。20年ぐらい前に、僕がある深夜ドラマの脚本を書いていることを知ったある大御所俳優さんから「二朗、俳優っていう仕事は、追求し続ける、深さがある仕事だぞ。他のことなんかやってる場合じゃないぞ」と、言われたことがあるんですね。まったくその通りで、俳優という仕事は、やっぱり演じることにストイックに集中したほうがかっこいいし、イヤらしい言い方をすれば戦略的にもお得だと思うんです。でもどうしても僕は、「書く」ってことに欲求があるんですね。やりたいことがあれば、我慢してやらずにいるよりは、やればいいじゃないか、という気持ちです。

──ツイッターも人気です。

佐藤:最初は宣伝目的だったのですが、これも書く欲求を満たすツールとして利用していたら、あれよあれよとフォロワー数が200万人を超えてしまいました。それをきっかけに連載の依頼まで頂けた。「別腹」という言葉が一番フィットするので使っているのですが、「書くこと」は、僕の中で演じることとは別腹であり、今も書くことを、演じることとは別に、楽しく嬉しく続けています。

(構成/編集部・工藤早春)

AERA 2023年7月24日号より抜粋

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