ただし、前出の坂田さんはトップの報酬を引き上げる際には株主や社員に対して十分な目配りが必要だと釘をさす。

「中には報酬の基準が明確ではなかったり、株主への配当や社員の賃金に比べて役員報酬が手厚くしすぎているのでは、と思えるようなところもあります。株主や社員が納得できるような説明が必要です」

 稼いだ利益をどう分配するかは経営の大事なテーマ。ランキングからは人材や社会の変化に対する企業の姿勢も見えてくる。

(AERA dot.編集部・池田正史)

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池田正史

池田正史

主に身のまわりのお金の問題について取材しています。普段暮らしていてつい見過ごしがちな問題を見つけられるように勉強中です。その地方特有の経済や産業にも関心があります。1975年、茨城県生まれ。慶応大学卒。信託銀行退職後、環境や途上国支援の業界紙、週刊エコノミスト編集部、月刊ニュースがわかる編集室、週刊朝日編集部などを経て現職。

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