――中田さんに求める、理想の夫像はありますか?
ないですね。期待すると、期待に応えなかったときに減点になるのがもったいないから、最近は地平線のようなゼロベースで考えています(笑)。一般的な旦那さんと比較して、夫はすごく秀でているところと、すごくできないところと両方あるんですけど、いいところにほれて結婚したのだから、できないことに目くじら立ててもしょうがないなと。
――中田さんの「できること」と「できないこと」とは?
たとえば子どもに関しては、欧米人かな?と思うくらい愛情表現が豊かです。「大好きだよ」って言ったり、ハグしたり。だから二人ともすごく懐いていて、娘は、相談事は私よりもパパにします。友達関係の悩みとかを話すと、夫は「そんな言い方するなんて!」って相手に対して一緒に怒ってくれたり、「悲しいよね、君は悪くないよ」って共感してくれたりするから、安心感があるのかな。
でも、家事は苦手ですね。お皿洗いなんて3日で挫折してました。「俺やめた、向いてない」って。向いてる向いてないじゃなく、こっちはやってるんですけどって気持ちになるけど、どうしたってお皿は洗わないっていう確固たる意志があるからしょうがない。私がやるなり子どもたちにやらせるなり、違う方法を探るほうが建設的だなと(笑)。
――昨今の、夫婦の家事負担の平等を目指す時流には反しているような……。
育児とか家事って、誰しもできることと苦手なことがあるので、苦手なことは違う方法でまかなって、得意なことに注力する考え方もありかなと思います。特にシンガポールに移住してから、価値観が変わりましたね。あるとき、ママ友に「なんで毎日料理してるの?」って言われたんです。その人は外食が普通で、料理はほとんどしないみたいで。日本人の当たり前って海外では全然当たり前じゃないんだなって学びました。
――本のカバーには、「全く妻に合わせる気のない夫の『トリセツ』」という言葉が。ズバリ、夫のトリセツとは?