――そう認識しているからこそ、肝に銘じていることがある。


松村:「自分はできないこと、知らないことが大半の人間である」というのは、まず肝に銘じていることですね。ネガティブな意味じゃなくて、「できる」前提でやると、処理しきれないときバグが発生してしまうので、そこを認識しておくことは大事だと思う。「言われたことができなかった」で、心がボキッと折れている場合じゃない。かといって、「やっぱりできなかった。まあいいや」にだけはならないように。「練習中だけどまだできない。やっぱりな」と受け止めつつ「じゃあどうしたら?」「ここが足りないんだな」と考えて、少しでも前に進んでいきたい。あるいは、「こうするように言われたけど、今はできないので、一応、持ち前のものでバージョンの低いものをやらせてもらいますね」と、こっそり変えたりもしていってます(笑)。それも、身の丈を知っているからできる調整なので。


■ドーム公演で確かめた


――SixTONESの一員としては目標として掲げていた初ドーム公演を成し遂げたばかり。ドームの思い出を尋ねたら、6人の絆が見えた。


松村:ドームに向けて2パターン考えたんです。一つはグループの歴史を主体にしてメモリアル感たっぷりの、昔の写真をガンガン出すとか、ジュニア時代のコーナーを作るとか、いわゆるエモいライブ。もう一つはあくまで普通のライブ。毎年ツアーをやっているのと同じ考え方で作っていくという二択があった。で、僕らは普通のライブを作ることを取ったんです。


 理由としては「慣声の法則」というアリーナツアーの追加公演だったことと、ドーム公演を毎年のものにしていきたかったから。今の自分たちがこの会場でどのぐらいのことをやれるのか、正面からちゃんと確かめておきたかった。まぁ、メモリアル感を出しすぎると、次やるときの武器がなくなるという不安もあったんですけど(笑)。


■気持ち悪いくらいの絆


 ただ、1カ所だけ、変な言い方ですけど、自分たちのためだけの曲をアンコールの最後に入れたんです。「彗星の空」というSixTONESの歴史を盛り込んだ曲。その曲を聞いて誰が一番感動するかって、もう僕ら6人なんですよ。聞こえてくる歌詞、歌う歌詞全部が分かりすぎるほど分かる。パフォーマンスをしつつ、一瞬「あぁ、これはあのときのあれね」と思考が飛んで、パッと今に戻ってきたら、そこはずっと目標に掲げていたドームのステージで。グッと来ましたね。やっぱりあの時間はメンバー同士のサービスタイムだったな(笑)。うち、ちょっと気持ち悪いくらいの絆があるんです。

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