■相乗効果を楽しんで


――W主演となる西畑大吾にも「安心感がある」と語る。西畑演じる片無氷雨(かたなしひさめ)は、事件の動機や理由を読み解くのが得意な不可解専門探偵。倒理とは相棒かつライバルでもある。


松村:大吾とは昔から仕事をしてきているので、ヘンに気負わないほうがいろんな意味で良さそうだなと思って、あえて何もしていません。「俺が先輩だから、代表して盛り上げよう」みたいなこともまったく考えてないですね。


 ドラマは最初こそ倒理の傍若無人さに「なんだ、こいつ」と気を取られる人も多いと思いますが、物語が進むにつれて、一番常識人っぽい氷雨が、どんどん変わっていく面白さもある。氷雨が変わると、周りのキャラクターも相乗効果でどんどん面白くなっていくので、そこも楽しんで見守っていただきたいです。


――取材中、演技の話になると「まだまだ」「足りてない」という言葉が繰り返し出る。俳優デビューは11年前。SixTONES結成のきっかけとなる「私立バカレア高校」がそのドラマで、以降コンスタントに映像作品に関わってきたが「お芝居の面白さを明確に意識し始めたのはここ数年」と振り返る。


■身の丈を知るからこそ


松村:お芝居は最初から「なんか楽しい」「面白いな」と感じてはいたんです。でも、歌ったり踊ったりのアイドル活動が主軸にありつつ、お芝居のお仕事もやらせていただく感じだったので、なんというか……はっきり、お芝居をお芝居だと認識するまでに時間がかかったんですね。いろんな作品をやらせていただくなかで「あれ? もしかしたら演じるってこういうことかも」みたいなものが少しずつ分かってきて。といっても正解がないものだから、それこそ、いまだに「役作り」もどうすればいいかよくわかってないんです。毎回、たくさんの人に意見を聞いて、受け取って、試行錯誤を続けている。年齢こそ28歳ですが、まだまだ新人俳優、まだまだ練習期間という感覚なんです。

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