二大ビーチを堪能したら、釜山の海岸線のもう一つの「顔」も楽しみたい。「海東龍宮寺(ヘドンヨングンサ)」は、海雲台から車で約20~30分ほどのところにある仏教寺院で、濃いブルーの海の岩場に色とりどりの建物が連なる。1300年後半の高麗の時代に、「海辺で龍に乗って空を飛ぶ菩薩の夢を見た」という和尚によって創建されたと伝えられ、豊臣秀吉による朝鮮出兵「文禄・慶長の役」で失われたが、1930年代始めに再建された。

海東龍宮寺。韓国ならではの色彩「丹青(ダンチョン)」が映える(撮影/生活・文化編集部 永井優希)
海東龍宮寺。韓国ならではの色彩「丹青(ダンチョン)」が映える(撮影/生活・文化編集部 永井優希)

 本堂を目指して屋台が並ぶ参道を上がっていくと、十二支の石像が迎えてくれる。ここでは、自分の干支とのツーショット撮影がマスト!煩悩を取り去る108の階段を下り、いくつかの門を抜けて石橋を渡ると本堂に到着。日本の神社のように、本殿の外に置かれたさい銭箱に小銭を入れ外から手を合わせることもできるが、海東龍宮寺は「心から祈りさえすれば必ず一つの願い事を叶えてくれる」と言われている寺院なので、韓国式のお参りに挑戦したい。正面ではなく横の入り口から本殿に入り、置いてあるマットや座布団の上でひざまずき、おでこを地面につけて立ち上がる動作を3回以上繰り返す。中には108回、3000回と繰り返す人もいるそうだ。

海東龍宮寺で見かけた金の豚。韓国では豚は幸運のシンボルだ(撮影/生活・文化編集部 永井優希)
海東龍宮寺で見かけた金の豚。韓国では豚は幸運のシンボルだ(撮影/生活・文化編集部 永井優希)

 夜は、2020年に建てられた新しいランドマーク「海雲台LCTランドマークタワー」へ。お目当ては99階の展望台「BUSAN X the SKY」だ。エレベーターを降りると、目の前にきらめく夜景……のはずが、当日は雨。読者の皆さんには、BUSAN X the SKY提供の以下の写真で釜山の新絶景を疑似体験してほしい。

BUSAN X the SKYからは釜山の名所が一望できる。天気がよければ対馬の島影も見える(写真/ BUSAN X the SKY提供)
BUSAN X the SKYからは釜山の名所が一望できる。天気がよければ対馬の島影も見える(写真/ BUSAN X the SKY提供)

 ただ、雨だからといってスキップできないのが、この新ランドマークのすごいところ。1階から98階まで56秒でという超高速エレベーターやタワー内を彩るデジタルアートなど、見どころは盛りだくさん!逆に雨の日こそ、ぬれずに過ごせて混雑も避けられる「穴場」かもしれない。

雨の日は先端まで見えず神秘的な様相のLCTランドマークタワー(撮影/生活・文化編集部 永井優希)
雨の日は先端まで見えず神秘的な様相のLCTランドマークタワー(撮影/生活・文化編集部 永井優希)

  進化し続けるリゾート地、釜山。日本の成田空港から釜山最寄りの金海(キメ)空港までは2時間30分弱、空港から中心部へも車で1時間ほどだ。福岡からは船で行くこともできる。時差もなく、気候も日本より少し涼しい程度。近郊の古都・慶州とともに、久々の海外旅行の行き先としてはベストチョイスの一つだろう。

(生活・文化編集部 永井優希)

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