横浜市で殺された女子大生のことを思う。いったいこれまで何人の女性が、同じような理由で命を奪われてきただろう。横浜での事件で、警察は女性からの訴えを「男女間のトラブル」と表現し、報道もそれに準じていたけれど、こういう事件を「男女間のトラブル」と言うこと自体がもう間違いなのかもしれない。そこにあるのは「男女間のトラブル」ではなく、ただひたすらの強烈な性差別と、歪んだ男ジェンダーだ。女性嫌悪犯罪と名付けるべきではないか。露骨な女性差別がまかり通る現代日本で、一方的に女への恨みを募らせた幼稚な男の犯行が、「増えている」ように感じるのは私だけだろうか。

 Aちゃんは逃げ出せた。それは彼女自身の決意が強いだけでなく、法律に強く、モラハラ男に的確に反応し、離婚に向けて具体的に動ける母親がいたからこそだろう。女性がSOSを出したら、周りがすべきことは全力で距離を取らせることなのかもしれない。とにかく逃げさせること。相手がどんなに「感じがよく見え」「フツーに見え」「未来があるように見え」「きれいごとを並べたてたとしても」、まずは女性の恐怖と不安を第一優先にすべきなのだ。

「男女間のトラブル」は日常に転がっている。だからこそ、ジェンダーへの批判的視線が社会に必要だろう。「ふだんからヤバイ人」が罪を犯すのではなく、「フツーに見える」「良い人に見える」人が男ジェンダーを病的にこじらせてしまっている。それが今の日本なのかもしれない。

 まずは「一方的なオレ語り」は危険、と私は強く思います。

(※Aちゃんが特定されないように、Aちゃんの話は少し脚色を加えています。実際の話はこれ以上に酷かったです)

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