作家・重松清氏が池澤夏樹、浦沢直樹、いとうせいこう、山田太一、赤川次郎、酒井順子氏ら9人に迫ったインタビュー&人物ノンフィクション集だ。人選の基準は「インタビューの最初の質問で声が震えてしまいそうなひとに限る」と記す。
 伊集院静氏からは、月刊誌「小説新潮」に連載していた長編小説『黒い犬』の中断理由について「日本人の中に狂気に対していつもなにかを考えてるような奴はもういないんだ」との言葉を引き出す。映画監督・テレビディレクターの是枝裕和氏からは、テレビの連続ドラマを途中の回から見ても面白いように作る手法をめぐり、自分の作品が「途中参加がしにくい構造になったのは、俺が長編小説を書こうと思ったからなんだよ」との思いを聞き出す。
〈次作が待ち望まれている〉ことが「プロフェッショナル」の定義だと、あとがきに書く重松氏は、自分自身にも、その言葉を投げかけているのであろう。“インタビューの可能性”を大いに感じる真剣勝負の一冊である。

週刊朝日 2015年3月20日号