しかし、午前11時過ぎに裁判所に宅配便で届いた山上被告宛ての段ボール箱に金属反応があり、危険物の可能性もあるとして裁判所の職員らが一時屋外に避難することになった。県警の爆発物処理班が出動する騒ぎとなり、公判前整理手続きは中止となった。
その後、段ボール箱の中身は、山上被告の減刑を求める1万3千人余りの署名だったことがわかったが、公判前整理手続きの日程は決まらないままだ。
「弁護士の話だと、徹也は『外の空気が吸いたい』と言ったそうです」
こう話すのは、山上被告の伯父で、以前、大阪弁護士会に所属していた元弁護士の山上東一郎氏だ。
山上被告が公判前整理手続きに参加するとの情報が出たことについて、こう話した。
「公判前整理手続きで、被告の徹也が意見を述べる機会はありません。ど素人の徹也が公判前整理手続きに参加する必要はまったくない。ただのさらしものです。私が弁護人なら被告が参加したいといっても、きちんと説明して、参加の必要はないと説得します」
東一郎氏は事件直後から、旧統一教会への信仰を続けている山上被告の母親を奈良から大阪の自宅に呼び寄せ、かくまった。拘置所にいる山上被告には手紙を送り、選任された国選弁護士を通じて差し入れをするなど、サポートしてきた。事件の解明につながればと、奈良地検と連絡をとり、2度、母親への事情聴取をさせた。
「徹也が事件を起こした大きな要因は、母親の旧統一教会への異常な信仰です。母親は奈良地検の事情聴取に『旧統一教会に悪いことをした』と述べている。旧統一教会は、今も徹也の母親が信者だと『PR』しているのにはあきれます」
と東一郎氏は話す。
旧統一教会はこの事件について、「『1周忌』によせて」として、
<事件を引き起こした山上徹也被告の母親は現在も当法人の信徒であり、山上被告が母親の信仰活動を理由に事件を引き起こしたとされることに対しては、当法人としても慚愧に堪えません>
などとホームページに載せている。