元AKB48武藤十夢「アイドルの才能ない。武器を増やそう」と大学院　芸能活動と両立できた理由とは？

　修士論文は「天気と金融の関係」がテーマだった。

 「雑誌の連載で金融商品について勉強していたので、株価と気象は関係があるのかなぁと気になっていたんです。気象データと株価を連動させて調べるうちに、『この会社はこういう活動をしているのか』と新たに知ることが多かったです。私は芸能界しか知らなかったので、社会勉強にもなりました」

■大学院だからこそできた国籍も年齢も違う友人

　もう一つ、武藤さんが大学院で得た大きなものは、今までとは違う交友関係だった。

 「私は中学からずっと成城学園で、大学までは似たような友だち関係の中にいました。でも大学院に進学する人は全然いなくて……」

　研究室の仲間の多くは、留学生や社会人経験のある年上世代だった。

 「少人数の授業を受けていたら、私以外の全員が中国語で話していたり、私の親と同世代の人が何人もいたり……。アットホームな研究室だったので、教授を交えていろんな話ができました」

　大学院を終えるとき、武藤さんは教授に「院で得たものはなんですか？」と質問されたという。武藤さんは、迷いなくこう答えた。

 「今まで触れたことのない世界に触れられたことです。私の人生が豊かになりました」と。

　20年3月、武藤さんは大学院を修了した。「よし、ここからだ」と思った矢先、世界はコロナで一変した。

 「ステイホーム中、自分は何をしたらいいのかって考えたとき、『勉強したい』と思いました。それでファイナンシャル・プランナーの資格をとり、料理も始めました。勉強の習慣がついたこと、どんなことも『やればできる』と思えるようになったこと、全部大学院のおかげです」

　その後、防災士の資格も取得。「武藤さんだからこそ」と言われる仕事は、確実に増えていった。そして今年3月、AKB48を卒業した。

 「がむしゃらに挑戦してきたことすべてが、今の自分を支えてくれています。本当に大変でしたけど、全部やってよかった。ようやく自信が持てたから、新しい道を歩むことができたのだと思います」

暮らしとモノ班 for promotion

「昭和レトロ」に続いて熱視線！「平成レトロ」ってなに？「昭和レトロ」との違いは？