爆発直後の様子。ガラスの破片や壁のコンクリートなどさまざまな物が吹き飛ばされたことがわかる(写真提供=目撃者)
爆発直後の様子。ガラスの破片や壁のコンクリートなどさまざまな物が吹き飛ばされたことがわかる(写真提供=目撃者)

 3日の午後3時すぎ、東京・新橋の雑居ビルの2階から大きな爆発音がして火の手が上がった。爆発で男女4人がやけどなどのけがを負い、3人が病院に搬送された。現場は一体どのような状況だったのか。同じビルの1階で爆発音を聞いた従業員や目撃者が生々しい様子を語った。

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 現場となったビルは新橋駅から徒歩4分ほどの繁華街にある。

 16時過ぎ、記者が爆発が起きた現場に着くと、焦げ臭いにおいが立ち込める中、消防車が10数台、救急車も数台が待機し、多くの警察官が現場対応に当たっていた。

 火災発生からおよそ1時間が経過していたが、まだ火災警報のベルが鳴り響いており、消防隊員や救急隊員が駆け回るなど、物々しい雰囲気に包まれていた。現場の消防隊員に聞くと「ケガ人はもういないが、まだ鎮火、鎮圧できていない」とのことだった。

爆発から5~10分後には火災が発生したという(写真提供=目撃者)
爆発から5~10分後には火災が発生したという(写真提供=目撃者)

 爆発が起きたのは雑居ビルの2階に入る「カフェ&バー」。「馬好きのオアシス」をコンセプトにした店で、競馬好きの間ではよく知られた店だという。同店の中にいた50代男性店長と50代の女性従業員、また、通行人の50代と70代の男性合わせて4人がやけどなどのけがをしたとされる。

 近くのビルで働く人たちは、警察が張った規制線の外まで避難して、人だかりを作っていた。1時間以上も避難しているという会社員の男性は不安そうにこう語った。

「大きな爆発音がして、ビルが揺れました。ビルにトラックでも突っ込んだのかと思った。外を見たら、辺り一面にビルの壁やらが散らばっていた。爆発から5~10分もしないうちに煙と火が出てきました。煙の臭いがビルにも入ってきてヤバいなと思いました。警察から避難をしてほしいとビルの管理会社に連絡があったみたいで、私は避難をしましたが、爆発があったビルの上の階には人影が見えたので、その後避難できたのか心配です」

 爆発があったビルの一階の飲食店の従業員の男性は、一人で仕込みをしていたという。爆発音で耳鳴りがしばらく残ったが、ケガはなかった。爆発があったときの瞬間をこう語る。

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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揺れの大きさは「東日本大震災」以上だった