![初コラム集『心のおもらし』を出版した俳優・佐藤二朗さん(撮影/写真映像部・東川哲也、ヘアメイク/今野亜季(A.m Lab)、スタイリスト/鬼塚美代子(アンジュ))](https://aeradot.ismcdn.jp/mwimgs/a/6/840mw/img_a67473f89551b6375ef187868297759e142414.jpg)
個性派俳優として「勇者ヨシヒコ」シリーズのほか、数々の映画やドラマ、バラエティー番組などでマルチに活躍する佐藤二朗さん。その魅力といえば、いわゆる“大人”らしくない予測不能の言動にあるに違いない。泥酔してTwitterで「つ」と一文字つぶやけば、瞬く間に何万リツイートもされ、一見、何の役にも立たないようなことが人気を集めている。AERA dot.で2018年から続く佐藤さんの連載「こんな大人でも大丈夫?」でも、椅子に足の小指を打ち付けては叫び、妻に甘えては叱られ、幼い息子と張り合い、言ったそばから撤回し、友人の俳優・山田孝之氏には本気で叱られ、遊園地のアトラクションで悲鳴を上げるという精神年齢8歳(自称、実際は54歳)の日常を見せてきた。
その連載をまとめた初コラム集『心のおもらし』(朝日新聞出版)が6月20日に発売され、AERA dot.では改めて著書に込めた思いや連載の裏話をインタビューした。一部を抜粋して紹介したい。※全編は「AERA dot.ポッドキャスト」で無料配信中。
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――著書の中で『駄文集』『無駄考』『意味のないもの』という言葉も使われていました。「役に立たないこと」への信念や美学さえ感じます。
このコラムのことを「駄文」と書いたけれども、それこそがAERA dot.における些少なれど僕の存在意義だと思っているんですよね。
例えば、僕が演じたドラマ「勇者ヨシヒコ」シリーズの仏は、ヨシヒコら旅の一行にお告げをするんですが、仏にあるまじき態度で適当なことを言うし、セリフを噛むし、いわゆる無駄なお告げばかりしているんですね。ドラマから時間が経ち時効なので言いますが、セリフを噛むシーンは普通の芝居の何倍も何十倍も稽古して撮影に臨みました。無駄なものや中身のないものに心血を注ぐのは大人がすることじゃないけれども、大げさを恐れずに言えば、それはエンターテインメントの本質なんじゃなかろうかと思う、と。ごめんなさい! あとがきのままなんだけど大丈夫かな。
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