![14歳の成海璃子。大人びた雰囲気で、当時は23歳の看護師役を演じたこともあった(2007年)](https://aeradot.ismcdn.jp/mwimgs/8/5/738mw/img_85d7c7365881edab92c9c02a2c7d52dc72126.jpg)
さらに、「オトナンサー」(20年8月6日配信)では、監督が望むことを表現するように心がける一方、役作りについては作り込んだりはせず、相手とのやりとりで変えていくこともあると話している。そうした高いプロ意識や柔軟性も、役者として評価されているところなのだろう。
「現在放送中の朝ドラ『らんまん』では、元彰義隊である夫の妻役として出演。主人公が住むことになった明治時代の長屋の住人という役どころですが、江戸っ子らしいセリフ回しも披露し、存在感を発揮しています。一方、5月まで放送されていたドラマ『かしましめし』では、人生に悩みながらも主人公たちと“おうちごはん”を囲み、一緒に暮らしていくようになるアラサー女子役を好演。こちらはナチュラルな演技で、朝ドラとは全く違うキャラをしっかり演じていました。その安定した演技力はベテランのようなすごみも感じさせます」(同)
■好きな映画は「悪魔のいけにえ」
俳優としての成長著しい成海だが、「大人になってもサブカル好きな雰囲気は漂っている」と言うのは民放ドラマの制作スタッフだ。
「夜、疲れて家に帰ってきたときに見たくなる映画が『悪魔のいけにえ』だと、数年前のインタビューで答えていたのを覚えています。同作品は70年代のホラー映画ですが、『めちゃくちゃな面白さがある』と成海さんは語っていました。主人公の殺人鬼・レザーフェイスが少しドジっ子なところもたまらなく、チェーンソーでうっかり自分の足を切ってしまうシーンに、『なにヘマしてんだよ!』と思ってしまうとか。そうした、独特な視点を持ち合わせつつ演技力も確かという絶妙なバランスが、見ている人を引きつけるのかもしれません」
ドラマウォッチャーの中村裕一氏は、成海の魅力についてこう分析する。
「独特の雰囲気を放っており、良い意味で自我があるというか、他にはない個性の持ち主です。バカリズム脚本で船越英一郎演じるドラマプロデューサーの愛人役を演じた『黒い十人の女』や、『世にも奇妙な物語 '20秋の特別編』内の大竹しのぶ主演作『タテモトマサコ』といった、かなり変化球的なドラマでもしっかり存在感を残すことができる実力派です。サブカル好きというところも、掘ればもっと意外な素顔が出てくるに違いありません。なにより30代は俳優にとって、どんな役にでも自由にチャレンジできる理想的な時期。キャリアを重ねて幅をさらに広げ、実績を残していけば、代えのきかない、無二の存在になっている可能性は大いにあるでしょう」
派手さはないが、キラリと光る個性を放つ成海。どこかクセがあり気になってしまう存在感は、今後も大きな武器となりそうだ。
(丸山ひろし)
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