神戸市こども家庭局によると、

「4月に保育園に行ったときに修君にあざがあることがわかって暴行の可能性を疑いました。役所の職員がアパートを訪れて事情を聴いたが、沙喜容疑者は『心当たりはない』と答えたそうです。しかし、修君は名前は言わなかったが、誰かにたたかれたという趣旨の説明をしました。5月になると沙喜容疑者から『子供を育てるのが大変、育てにくい』と相談があり、保護する予定だった。しかし、沙喜容疑者が『大丈夫だ』と断ったので保護しなかった」

 という経緯があったという。

 沙喜容疑者は厳しい生活状況だった。沙喜容疑者と何度も食事会をしていた女性の友人は、沙喜容疑者の家族についてこう話す。

「事実、何年も前からガス代が払えていなかったようで、修君や沙喜容疑者は知人宅でお風呂に入っていました。去年夏に食事会をした時に、修君が『トイレに行きたい』というと沙喜容疑者が『おむつしているでしょ』と叱っていました。当時は5歳だったかな。まだおむつがとれていないの?とおかしいなとは感じました。沙喜容疑者は内にこもりがちな性格で、それが事件の一因になっていたのだとしたら……」

 子どもが修君と同じ保育園という前出の女性が言う。

「今思えば、修君が保育園に来なくなったあたりからは沙喜容疑者がネグレクトのような状況といううわさはあった。家の中もゴミだらけだとか十分に食べさせていないとか。それに早く気づいていればこんなことにはならなかったのかと思うと、修君がかわいそうでなりません」

(AERA dot.編集部・今西憲之)

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