6月22日午後6時過ぎ、神戸市西区の空き地でスーツケースに入った男の子の遺体が見つかった。警察が身元を調べたところ、地元の保育園に通う穂坂修(なお)君(6)とわかった。一方、兵庫県警は同じ日、修君の母、穂坂沙喜容疑者(34)とその弟、大地容疑者(32)、双子の妹の朝美、朝華の両容疑者(30)のきょうだい4人を監禁と傷害容疑で逮捕した。沙喜容疑者の母、Yさんを自宅の押し入れにカギをかけて監禁し、ケガを負わせた疑いが持たれている。修君と母親らに何が起きていたのか。
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「まさか殺人事件? 信じられません」
と沙喜容疑者の住んでいたアパート近くの人が振り返る。
19日午後4時半から午後5時ごろだった。
「アパート近くで、サングラスをかけた男女4人がスーツケースをもって集まっていたんです。なんか変だなとは思っていて。その直後、集まっていた近くでピンク色の小さな財布が路上に落ちていたので交番に届けました。クレジットカードと現金が1万8千円ほど入っていました。警官がクレジットカードの裏面にあるサインで『穂坂沙喜さんですかね。ご存じですか』と言い、私も確認しました。ニュースを見て、『あれ、一緒だ』とびっくりしました」
沙喜容疑者は地元出身で10年ほど前にアパートに引っ越してきたという。近所の人たちは、沙喜容疑者と修君の姿しか見た覚えがないという人が大半で、母子家庭では、と思っていた人も多かった。
修君と同じ保育園に子供を通わせる女性は、
「修君が赤ん坊のときは、沙喜容疑者はちょっと育児がしんどそうに見えました。それでも、保育園に通うようになって沙喜容疑者はお遊戯会には朝一番に来て、最前列で手をたたいて見ていたので、育児には熱心なんだなと思っていたんです」
と話す。
しかし、昨年冬ごろから修君は保育園を欠席するようになる。「週に1、2度来ては休む」が続き、周囲からは「大丈夫なのか」と心配する声があがっていたという。