前出の女性がこう話す。
「修君はやんちゃというか、ちょっと落ち着きがなさすぎる子供さんという印象でした。事件の1カ月くらい前、地元の路線バスに、沙喜容疑者と母のYさんと一緒に修君が乗ってきました。その時も走行中のバスの中を一人で走り回って、運転手から注意を受けていました。だけど、沙喜容疑者は何もいわずに知らん顔のような態度。変だな、長期で保育園を休みがちなことと関係があるのかなと思った」
そんな修君が「SOS」を発していたのは、4月ころだったと近所の人はいう。
「修君が『助けてください、暇なんです』とアパート2階の窓から言うんですよ。けど切迫した感じでもなく、暇だというばかり。沙喜容疑者がいなくても、Yさんはいるのだろうと思って、『修君、おばあちゃんはいるでしょう』と話しました」
それだけではなかった。
「修君は犬の散歩のときに使用するリードのようなひもをつけられて外出していた」
「沙喜容疑者や男性が、『こら、何してんねん』と修君を大声で叱り飛ばしていた」
「2階の部屋から修君が出られないようにカギをかけていたような話を聞いた」
近隣からはそんなさまざまな情報が出ていた。
事件の発端は、押し入れに閉じ込められていたYさんが、沙喜容疑者らが不在のすきに逃げだして、神戸市垂水区内で保護されたことだった。
捜査関係者がこう話す。
「一般の人から『ひどくけがをした人がいる』と通報があり、Yさんを保護したところ、左目あたりがすごく腫れあがり、明らかに殴られた痕がありました。また、背中にも打撲の痕跡。事情を聴くと、押し入れにカギをかけられて計10回くらい監禁されていたといい、背中は鉄パイプのようなもので殴られたと言っていました。そこで、沙喜容疑者らをアパートに探しに行ったが不在。神戸の繁華街に4人がいることがわかり、逮捕となったんです」
その後、沙喜容疑者から話を聴き、
「修君を探したところ、アパートから200mくらい離れた草むらからスーツケースが見つかり、遺体も見つかった。修君には刺し傷とか、首を絞められたといった外部から見てわかる痕などはなかったが、司法解剖などの結果から外傷性ショックが死因である可能性が高い」(捜査関係者)