【タイプ3】必要なものが足りない「虚証タイプ」で、「気」が足りない人

<気になる症状>
口内炎が治りにくい・繰り返しやすい、疲労感、倦怠感、息切れ、かぜを引きやすい、顔色が白い、食欲不振、軟便、舌の色が淡く腫れぼったい、舌の苔が白い、舌のふちに歯のあとがつく

<改善ポイント>
 体内の「気」(エネルギー)は、身体の元気や免疫力の基本。気が不足していると、心身の疲労やだるさを感じやすく、免疫力も落ちてしまいます。

 このタイプの口内炎は、気の不足で免疫力が低下し、外邪(風、熱、乾燥などの邪気)の侵入を受けやすくなってしまうことが原因。邪気が体内に停滞すると、熱や乾燥の影響で身体を冷やす潤いが不足してしまいます。結果、体内に余分な熱がこもり、口内炎の炎症が起きやすくなるのです。

 対策のポイントは、気の源となる「肺」、「脾胃(ひい)」(胃腸)の働きを良くすること。十分に栄養を摂り、しっかり呼吸をして、体内の気を養いましょう。

<摂り入れたい食材>
「気」を養い、元気をつける食材を。
大豆製品(豆腐、湯葉、納豆など)、いんげん豆、山芋、かぼちゃ、りんご、甘草(かんぞう)など
※温かくて消化の良い食事を。生ものは控えめに!

「気」を養い、元気をつける食材、かぼちゃ PhotoAC
「気」を養い、元気をつける食材、かぼちゃ PhotoAC

【タイプ4】必要なものが足りない「虚証タイプ」で、「潤い」が足りない人

<気になる症状>
赤みが少なく微かに痛む口内炎、口内炎を繰り返す・慢性化しやすい、微熱、痩せている、口の乾燥、虫歯になりやすい、便秘気味、舌が少し紅く苔が少ない

<改善ポイント>
 身体に潤いを与える「津液(しんえき)」や「血(けつ)」が不足していると、体内の熱を冷ますことができず、熱がこもりやすくなってしまいます。この過剰にこもった熱が、口内炎の炎症を引き起こす原因になります。

 身体の潤いは加齢とともに失われていくため、特に更年期を迎える40歳以降の人は要注意。また、食べても太らない痩せ型の人にも多いので、こうした体質の人は若い人でも注意が必要です。その他、月経や慢性的な疾患が潤い不足の原因になることもあります。

 日頃から、こまめな水分補給、潤いの多い食材選びなどを心がけ、不足しがちな潤いを積極的に養いましょう。

<摂り入れたい食材>
潤いを生み、熱を冷ます食材を。
はちみつ、干し柿の白い粉、クコの実、レモン、トマト、グレープフルーツ、ぶどう、なし、りんご、卵など
※香辛料は、潤いを消耗するので取り過ぎに注意!

潤いを生み、熱を冷ます食材、トマト PhotoAC
潤いを生み、熱を冷ます食材、トマト PhotoAC

【ポイント】暮らしの口内炎対策

・熱を助長するもの(辛いもの、揚げ物、肉類、酒など)は控えめに。
・食事は“新鮮な野菜たっぷり”を心がけて。
・タバコなどの刺激はなるべく避けること。
・食後のうがいや歯磨きで、口内を清潔に。
・虫歯になったら早めの治療を。
・便通を良くすることも大切。
・できてしまった口内炎には、柿や梅干しを塗るのもおすすめ。

食事は“新鮮な野菜たっぷり”を心がけて PhotoAC
食事は“新鮮な野菜たっぷり”を心がけて PhotoAC

監修:菅沼 栄先生(中医学講師)

監修:菅沼 栄先生(中医学講師)1975年、中国北京中医薬大学卒業。同大学附属病院に勤務。1979年、来日。1980年、神奈川県衛生部勤務。中医学に関する翻訳・通訳を担当。 1982年から、中医学講師として活動。各地の中医薬研究会などで薬局・薬店を対象とした講義を担当し、中医学の普及に務めている。主な著書に『いかに弁証論治するか』『いかに弁証論治するか・続篇』『漢方方剤ハンドブック』(東洋学術出版)、『東洋医学がやさしく教える食養生』(PHP出版)、『入門・実践 温病学』(源草社)など。
監修:菅沼 栄先生(中医学講師)1975年、中国北京中医薬大学卒業。同大学附属病院に勤務。1979年、来日。1980年、神奈川県衛生部勤務。中医学に関する翻訳・通訳を担当。 1982年から、中医学講師として活動。各地の中医薬研究会などで薬局・薬店を対象とした講義を担当し、中医学の普及に務めている。主な著書に『いかに弁証論治するか』『いかに弁証論治するか・続篇』『漢方方剤ハンドブック』(東洋学術出版)、『東洋医学がやさしく教える食養生』(PHP出版)、『入門・実践 温病学』(源草社)など。

本記事は、イスクラ産業株式会社監修の中医学情報サイト「COCOKARA中医学」より、一部改変して転載しました

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