繰り返す症状に悩まされることも多い口内炎。小さな傷やできものなのに、食事がしみて痛むなど、その症状はとても不快なものです。口内炎を繰り返さないためには、体質を見直して根本から改善することが大切。あきらめていた人も、積極的なケアで予防・改善を心がけましょう。この記事では、日本の漢方のルーツである中国の伝統医学「中医学」をもとに、【口内炎の対策】について分かりやすく説明します。
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■ 体内の「熱」が口内炎の原因に
口内炎は、口の中の粘膜や唇、舌などに起こる炎症の総称。ウイルスや細菌の感染、食べ物や入れ歯などの物理的刺激、免疫力の低下や栄養不足などが主な原因と考えられていますが、原因がはっきりしないことも少なくありません。
中医学では、口内炎を引き起こす基本的な原因を体内の「熱」と考えます。熱の症状は、大きく2つのタイプに分かれます。
1つは、体内に余分な熱が溜まる「実証(じっしょう)タイプ」。このタイプの口内炎は、主に口の状態と関わりの深い臓器「心(しん)」や「脾胃(ひい)」(胃腸)に過剰な熱が溜まることで現れます。
もう1つは、身体に必要な物質が足りなくなる「虚証(きょしょう)タイプ」。体内の潤い不足で熱を冷ますことができず、身体に熱がこもって口内炎を引き起こします。
また、体内の「気」(エネルギー)が不足している場合は、免疫力が低下して「外邪」(風、熱、乾燥などの邪気)の侵入を受けやすくなることも。こうした邪気が体内に停滞すると、身体に熱がこもって口内炎の原因となります。
普段から口内炎になりやすい人は、症状を抑えるだけでなく、まず自分の体質をきちんと見直すことが肝心。体内の不調を整えて根本から原因を改善し、繰り返しがちな症状を防ぎましょう。
【チェック】“繰り返し”を防ぐ! 体質別「口内炎」対策
口内炎は体内の不調の現れ。体質を整えて根本の原因を改善すれば、再発の予防につながります。症状が重い場合は病気などが隠れていることもあるので、気になる人は早めに医師の診察を受けましょう。