たかにぃ氏の道具選びは至ってシンプル。「キャンプで何をしたいのか」を尊重し目的以外の道具を軽量化した結果、総重量でマイナス10キロが実現した(撮影/依田裕章)
たかにぃ氏の道具選びは至ってシンプル。「キャンプで何をしたいのか」を尊重し目的以外の道具を軽量化した結果、総重量でマイナス10キロが実現した(撮影/依田裕章)

バーベ:またそんなこと言って!結果、重量的には半減してますからね。でも確かにやってみた感覚としては、思っていたよりストイックな感じではなかったんです。なのに、これだけ洗練されたのはなんでだろう?

たかにぃ:シビアなUL思考の方は洋服のタグを取り除くなど0.1グラム単位で削っていくので、本当にストイックな世界だと思います。私はそこまでストイックにはなれなくて、バックパックひとつに収めて自転車に乗ったりハイキングしたりを目的にしたULキャンパーなんです。でも荷物がコンパクトにまとまるだけで、ずいぶんと変わりますし、自由度は高まるので。

バーベ:その軽量化の基準みたいなのはあるんですか?

たかにぃ:バックパックでいえば40リットルまでですね。それ以上になるとちょっと大きいかな?って。道具がそろうまでは大きくてもいいと思いますが。

バーベ:ギアのサイズが小さくなればやりたいことができる、という感覚はすごく納得。何がスゴいって、僕はキャンプするなら一品でもいいから料理をしたい人なんです。その想いをくんでもらっての結果が、これだということ。

たかにぃ:何に比重を置くかは、道具選びでは大事ですよね。私の場合なら料理はインスタントでよくて、アクティビティがメイン。バーベさんは料理がメイン。でもテントに入っている時間は寝るときくらい、ということがわかったので、テント自体をキュッとできたのが大きかったです。

パッキングはULキャンパーのワザの見せどころ。たかにぃ氏自身は、「バックパックの意匠に合わせた素直な収納」を心がけているという(撮影/依田裕章)
パッキングはULキャンパーのワザの見せどころ。たかにぃ氏自身は、「バックパックの意匠に合わせた素直な収納」を心がけているという(撮影/依田裕章)

バーベ:あれには驚いた! 付属のスタッフサックは使わないってところがワザだなと。空気を抜いて極限まで小さくするとテントがあんなに小さくなるんですね。しかもフレームと幕本体を別に収納するというのも目からうろこでした。

たかにぃ:自分がやりたいことに必要なものを持っていけないのは本末転倒。せっかく軽くしても、あれがないこれがないじゃ楽しくないですよね。だから削れるところはできる限り削り、必要なところは極力残す。これが大事だと思っています。今回は、料理道具や使い慣れた熱源は残しつつ、テントやマットなどをコンパクトにすることで軽量化がうまくいきました。

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