実は天皇陛下は、カレーライスが大好物だという。しかし、いくら大好物とはいえ、パートナーが残したものを食べるのは、この上ない優しさや気遣いが詰まった行動だ。天皇陛下の気遣いは、ご公務での宿泊先でも発揮されるという。
「皇太子ご夫妻(当時)がご公務で訪れた先に、雅子さまの独身時代のお友達やお世話になった方が暮らしていると、宿泊先にお招きされることがあったそうです。皇太子さまは『僕がいると気を使わせるだろう』と思われて、雅子さまとお知り合いの方だけでお話ができる時間をつくられたようです」
友達の「夫」とはいえ、天皇陛下がそばにいては、思い出話や近況をざっくばらんに話すのは難しい。雅子さまに楽しい時間を過ごしてもらえるように天皇陛下が配慮されたのだった。
「雅子さまの知人の書道家の方からお話を聞きましたが、皇太子ご夫妻が滞在されているホテルを訪ねると、雅子さまがまず先に出てこられて、15分くらい後に皇太子さまが『すみません、遅れてしまって』とお見えになったそうです。短い時間ではあっても積もる話があるだろうとあえて遅れていらっしゃったのではないかと、その書道家の方は感じたとか。自分がいると話したいことも話せないだろうと皇太子さまは配慮されたのでしょう。お友達への気遣いもですが、皇太子さまの雅子さまへの優しさも感じられますよね。雅子さまもその優しさを感じていらっしゃるのではないでしょうか」
天皇陛下の優しさは、雅子さまがいないときでも見受けられるという。つげさんが明かすのは14(平成26)年春の園遊会でのエピソードだ。
「園遊会に俳優の高倉健さんが招待されました。雅子さまは中高校生時代、田園調布雙葉学園に通われ、教師の中に高倉健さんの親戚の方がいたそうです。皇太子さま(当時)は雅子さまからその話をお聞きになっていたようで、『雅子がご親戚の方にお世話になったようで』と高倉健さんに話しかけられたとか。それを知らなかった高倉健さんは、『えっ?』と大変驚いた様子だったそうです」
そんな高倉健さんに天皇陛下は「かくかくしかじか…」と丁寧に説明されたという。