さいたま市PTA協議会からの脱会を伝える、栄和小PTAのウェブサイト
さいたま市PTA協議会からの脱会を伝える、栄和小PTAのウェブサイト

「今回の問題は明らかなコンプライアンス違反で、個人の問題である以上に組織の責任が問われます。コンプライアンス違反というのは誠実でない、道徳的に問題がある組織で起こります」と、市村会長は指摘する。

■発覚後も続く保険販売

 栄和小PTAではこれまで、子どもたちの手本となるような誠実な組織づくりを目指してきたという。

 PTAが任意団体であることを明確にするため、加入時にきちんと同意書をとるようにしたほか、くじ引きによる役員の強制選出を廃止して完全な立候補制にした。その結果、役員の数は従来の1/8ほどの10人弱まで減った。現在、加入率は7割ほどという。

「令和の時代にふさわしい当然の結果だと思います。やりたくない人に役員をやらせるなんて、絶対におかしいことですから。コンプライアンスの問題をなくして、健全な団体としてPTAを正常化できたと思います。ようやくスタート地点に立つことができ、ここから子どもたちのために何ができるのか、PTAの真価が発揮できるような活動を目指したいです」

 そんな市村会長の目には、市P協の対応はあまりにも不誠実に映る。問題が発覚して以降、各校のPTAや保護者、そして子どもたちには何の連絡もないという。

「それなのに保険のチラシやDVDを配布して、保険を売り続けている。いまだに組織としてコンプライアンス違反をしたという自覚が見られない。保険事業で使途不明金が出た原因がわからなければ、保険の販売を一度停止すべきでしょう」

 PTAは営利団体ではない。子どもたちのための組織である。

「子どもは大人の背中を見て育ちます。まずは、子どもたちにきちんと謝るべきだと思います。謝った後で何をするのかが本質で、弊会ではそう対応しています」

 市P協はいったい誰のための団体なのか。自分たちの活動方針とは全く合わない。そんな問題意識を会員と共有した栄和小PTAは、5月12日の定期総会で、市P協からの脱会を議決した。

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