日本女性医学学会のホームページでは、思春期から老年期まですべてのライフステージの女性のヘルスケアを担う医師として学会が認定する「女性ヘルスケア専門医」のリストが掲載されています。
更年期障害、高コレステロール血症、骨粗しょう症など、閉経期以降の女性にみられる病気は、ホルモンが影響するという意味ではすべて関連しあっていると考えられます。それらの病気をトータルにみられるのが婦人科の強みです。
高コレステロール血症も骨粗しょう症も自覚症状がありません。動脈硬化が進んで心筋梗塞や脳梗塞を起こしてから、あるいは骨粗しょう症が進んで骨折してからでは遅いのです。健康寿命延伸のためにも、できれば更年期症状がみられる閉経前後の時期から、LDLコレステロールを含む脂質の状態や骨量などを定期的にチェックしていけることが理想です。そのような『予防医学』が今後さらに重要になると想定され、日本女性医学学会でも積極的に取り組んでいきたいと考えています。
(文・出村真理子)