かみ合わせの違和感データ
かみ合わせの違和感データ

 画像をパソコンに取り込み、専用の解析ソフトで分析すると、かみ合わせの接触部に色が表示され、とくに高いところが判別できる。

 具体的には上下のかみ合わせの状態が0マイクロメートル(歯が接触している状態)~200マイクロメートル(非接触の状態)の間で色分けされ、可視化される。

「患者さんの感覚と、この接触状態の色を確認しながら、かみ合わせの調整をおこないます。画像を見せて『ここが高いですよ』と説明できるので、納得して治療を受けてもらうことができます」(同)

 ただし、装置が導入されているのは大学病院や一部の歯科医院に限られる。必要に応じて、かかりつけの歯科医から、大学病院などに紹介してもらうといいだろう。

■顎関節症を治すとかみ合わせも戻る

 顎関節症によってかみ合わせの違和感が生じることもある。顎関節症は顎関節や咀嚼筋の痛み、開口障害(口が開かない)、顎関節の雑音(顎が鳴る)を主な症状とする病気だ。

 原因は一つではなく、「生まれつきの顎関節や筋肉の弱さ」「心理的ストレス」「外傷」「姿勢の悪さ」「歯ぎしりやくいしばり」「上下の歯を接触させる癖」「カラオケや口を使う楽器演奏」など複数の要因により起こると考えられている。

 みどり小児歯科院長で昭和大学客員教授の和気裕之歯科医師によれば、咀嚼筋の強い緊張など「筋肉の問題で起こるタイプ」と、下顎骨と側頭骨(こめかみの骨)の間にあり、クッションの働きをしている関節円板がずれたり、顎関節が変形するなど「器質的な変化で起こるタイプ」の大きく二つに分類される。

「咀嚼筋の過緊張や関節円板の位置が変化した結果、かみ合わせの違和感が生じることがあります」(和気歯科医師)

 顎関節症を治すと、かみ合わせも元に戻り、違和感も改善することがほとんどだという。

「ただし、顎関節症と似ている病気はとても多いため、まずは、問診を含めた詳しい検査が大事です」(同)

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顎関節症の引き金になる要因を探る