「そのかいもあってか、女子の志願者数は93年は17.6%だったのに対し、今年は35.7%に上昇。女子に選ばれる大学になったと思います」
だが、どれだけ大学が魅力的になっても、受験生に伝わらなければ志願してもらえない。明治では、受験生へのアプローチも“職員総出”で対応する。
「高校や入試に関するイベントのお誘いがあれば、アドミッション・アドバイザーが現地に駆けつけます。入試広報課事務室だけでなく、有志の職員も交えて対応するのが明治流です」
西へ東へ年間450回超
約600人いる職員のうち、4分の1にあたる150人以上が通常業務に加えてアドミッション・アドバイザーの業務にあたる。依頼があれば、西へ東へ説明に出向き、大学の魅力をアピール。高校での登壇は多い年で年間300件、予備校では50件 を超える。その他、イベント会場での進学相談会は年に100件ほど。毎日どこかで明治大の話を聞く高校生がいるともいえる。
「少しでも受験生に役立つ情報を伝えられたらという思いで参加している職員が多いと思います。アドミッション・アドバイザーは強制ではありませんが、こうしてたくさんの職員が協力してくれる。それが明治らしさだと思います」
こうしたアプローチが実を結び、23年の明治大の志願者数は10万人を超えた。さらに、多くの私大が学校推薦型選抜や総合型選抜に舵を切る中、明治大は約7割の学生が一般選抜を経て入学する。加藤教授は「最後まで挑戦できる大学でありたい」と力強く語る。(編集部・福井しほ)
※AERA 2023年6月5日号に加筆