3月上旬、金融庁のNISA特設サイトに「新しいNISA」の項目が追加された(今後も更新)。日本証券業協会でも新しいNISAに関する情報と「Q&A」が出た(撮影/編集部・中島晶子)
3月上旬、金融庁のNISA特設サイトに「新しいNISA」の項目が追加された(今後も更新)。日本証券業協会でも新しいNISAに関する情報と「Q&A」が出た(撮影/編集部・中島晶子)
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 新しいNISAは公式資料だけではわかりづらいという声も。そんな「?」に金融庁、東証、日本証券業協会などが“正解をズバリ”答える保存版。AERA 2023年5月29日号の記事を紹介します。

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 2024年開始の新しいNISA(少額投資非課税制度)は年最大120万円まで株式投資信託などを買える「つみたて投資枠」と年240万円まで個別株、株式投資信託、ETFなどを買える「成長投資枠」があり、併用可。両方フルで使えば年最大360万円の投資が可能だ。生涯で投資できる金額を示す非課税保有限度額は1800万円(成長投資枠のみ使った場合は1200万円)。買った金融商品の一部または全部を売却すると、翌年にそのぶんの枠が復活する。

 買ってから非課税で保有できる期間は無期限、NISA口座開設の“締め切り”もない(現行の一般NISAと、つみたてNISAには期限がある)。

 この記事では、いざNISAを始めるときにつまずきがちなポイントに絞り、一次情報として正確な答えを掲載する。

 本誌はこの新制度が22年12月の税制改正大綱で発表されて以来、金融庁をはじめとする“お上”への直接取材を続けてきた。このQ&Aは、その集大成からよりすぐったものだ。

 ここから先は質問、回答、■本誌の補足の構成でまとめる。

質問:年に360万円も投資できない。特定口座で既に保有している株式投資信託やETFを新しいNISAに移したほうがいい?

回答:「特定口座から新しいNISAに移すには、いったん売却して買い直すことになる。売却時に利益が出ていれば、20.315%の税金がかかる。『税金を支払ってでも移したほうがいいか』に関する試算を確認したが、特定口座での含み益、新しいNISAに移したあとの相場状況で結果は異なる」(東証)

■期間を30年と仮定して試算したが、ほとんどの場合、いったん税金を払っても特定口座で売却して新しいNISA口座で買い直したほうがよい結果になった。ただ、いついかなるときも特定口座からNISAに移すのが有利と断言するのは誤りだ。

 たとえば次の(1)、(2)の条件の両方を満たす場合「移さずに特定口座でそのまま保有していたほうが税金面で少し有利になるケース」が存在した。

(1)特定口座の含み益が大きい。評価額の75%以上(例:元本25万円+含み益75万円=評価額100万円)。

(2)新しいNISA口座に移してからの利益が年平均2%以下。

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