首相官邸で開かれた「新しい資本主義実現会議」で発言する岸田文雄首相(右から2番目)。2024年開始の新しいNISAは政府“肝いり”
首相官邸で開かれた「新しい資本主義実現会議」で発言する岸田文雄首相(右から2番目)。2024年開始の新しいNISAは政府“肝いり”

 この試算だけで結論にはならないが、本誌は「特定口座の含み益が元手の2倍以下」「今後の運用で年平均2%以上になると思う人」なら特定口座からNISAに移しても税金面で損をする可能性が低いと考える。

質問:積み立ては必ず年12回行わなければならない?

回答:「最低年2回、買っていれば積み立てと見なす。これはつみたてNISAから変えていない」(日本証券業協会、金融庁)

■毎年2回以上、定期的に投資していれば制度的には積み立てと見なされる。「非課税累積投資契約」の法令に関する「細目及び実務上の取り扱い」の書類には、こう書かれている。「定期的に継続して行う」「2カ月に1回の頻度も可」「口座開設者の収入の状況を勘案したうえで、安定的な資産形成に資するものと考えられる場合には年2回の間隔まで、買い付けの頻度を伸長することも認められる」

 ただ、年に2回など少ない回数の投資よりも毎月の積み立てがいいだろう。そもそも主要ネット証券などでは回数で指定できない。どうしても年数回の投資にしたい人は、新しいNISAの成長投資枠でやればいい。

質問:「年360万円×5年(最速)で1800万円投資」と「月10万円×15年などで1800万円投資」ではどちらがいい?

回答:「細かい試算を確認したが、どちらが正解という結論を出すことはできない」(東証)

■本誌試算によると、21年までの米国株のように強烈な右肩上がりの相場だと、最速5年での投資のほうが最終結果はよかったケースが多い。ただ、米国株(S&P500)でも、5年で投資し5~6年目に暴落が来ると、長期投資のほうが結果はよかった。日本株(TOPIX)では「直近30年間」や「バブル期ピークの89年から30年間」などで検証すると長期投資のほうが勝っていた。同じく日本株で「リーマン・ショックの08年に開始し、アベノミクス相場にも乗った15年間」では最短5年投資の勝利。このように相場の状況と保有期間次第で結果は変わる。結果を予想しながら投資金額・期間を決めず、自分にとって都合のいい金額で投資を。

質問:新しいNISAで金融商品を買ったあと、値上がりしたら非課税保有限度額(1800万円)に抵触することもある?

回答:「非課税保有限度額は簿価残高方式で管理、つまり今保有している金融商品について買ったときの金額を合計して判定する。よって、金融商品の購入後、値段が上がったからといって非課税保有限度額に抵触することはない」(金融庁)

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