
三井住友銀行グループが2023年3月に提供を開始した金融サービス「Olive(オリーブ)」が話題。メガバンクグループが本気を出すとお金まわりはどこまで便利でお得になるかを検証した。アエラ増刊「AERA Money 2023春夏号」より。
【図表】どこよりも詳しい三井住友「Olive」比較表はこちら!
Oliveの目玉は「Oliveフレキシブルペイ」。1枚のカードにキャッシュカード機能、クレジットカード機能、デビットカード機能、ポイント払い機能の4役を持たせた。
ATMに差し込めばキャッシュカードになり、レジで出せばクレジットカードに。スマホのアプリ操作でデビット払いやポイント払いにも変更できる。
対象のコンビニやファミレスなどで利用すれば還元率が最大15%(プラチナプリファードカードなら16%)に上がる「Vポイントアッププログラム」、資産形成ではSBI証券との連携もある。
三井住友グループが個人サービスに力を入れるのはリテール(小口取引)の収益化という目標がありそうだ。
駅前の一等地に店舗を構える大手銀行は運営コストが高く、リテールは割のいいビジネスではなかった。
しかしスマホアプリなどが進化するにつれて、個人向けサービスを低コストで提供し、収益の柱に育てる道筋が見えてきた。
使い勝手がよければ、これまで防戦一方だったネット銀行とも互角またはそれ以上に戦える。
政府、金融庁も、金融とITを融合した「フィンテック」推進を掲げている。本誌も実際にOliveアカウントを作り、アプリを使ってみたが、操作性のよさは既存の金融アプリを圧倒していた。
■「100万円修行」必須
Oliveは本当に得か、検証していこう。まずは通常の買い物利用と投資信託(以下、投信)のつみたてポイントから。
Oliveのカードは一般(年会費永年無料)、ゴールド(税込み年5500円)、プラチナプリファード(同3万3000円)の3種類から選べる。
ゴールドは年会費5500円だが初年度は無料。そして初年度の利用が100万円以上なら翌年以降もずっと無料になる。