ジャーナリストの田原総一朗さんは、山形市の児童遊戯施設に「ものすごく興奮した」という。
* * *
5月8日に山形市副市長の井上貴至氏と阪急交通社の室田伸一氏に案内されて山形市に行った。山形にインクルーシブを具現化した面白い施設がある、と見学を提案されたのである。
インクルーシブとは包摂という意味で、性別や国籍の違い、障害の有無など、異なる特性を持つ人々が互いに認め合って、ともに生きることを指す。それを具現化するとはどういうことなのか。非常に興味があり、ぜひ行って見てみたいと思ったのである。
そして、実際に見た施設「シェルターインクルーシブプレイス コパル」にものすごく興奮した。
実は、山形市には雨天時や冬期間に子どもたちがのびのびと遊べる施設が少なく、子育て中の保護者たちから、乳幼児や小学生までの子どもとその保護者が安全にのびのびと遊べる屋内型の児童遊戯施設について多くの要望があった。
こうした要望を受けて、市内北部の樋越に児童遊戯施設「べにっこひろば」がつくられた。当初の計画では年間18万人の利用者を想定していたが、2014年12月のオープンから1年間で来場者は30万人を超え、現在でも年間に25万人以上が来場しているという。
だが、休日を中心に非常に混雑するので、さらに市南部に新たな施設をつくることになった。それが「シェルターインクルーシブプレイス コパル」である。
建築物すべてが公園を思わせるつくりになっていて、障害の有無に関わらず、誰もが一緒に遊べるように、車椅子でも滑れる幅広のスロープや、触覚を頼りに進むトンネルなど、それぞれの特性を生かして遊ぶことができる。また、様々な発見がある野山での遊びのように、段差や坂、洞窟など、わくわくするような気持ちが自然に生まれる、多様な遊びを触発する空間となっている。
そうした仕掛けが屋外から建物の中まで自然とつながることで、すべての場所が公園のような、遊びと学びの場になるのだという。