私たちはこの宇宙が約138億年前に始まり、どのように進化し、地球誕生に至ったか、また宇宙の中で地球がどこに位置するかをある程度は知っている。数千年の歴史しかない人類が、これらの知識をどう獲得したのか。本書では100の大発見を柱に、宇宙探索の歴史を豊富な逸話とともになぞっていく。
天文学史上で最大のパラダイムシフトをもたらしたのはコペルニクスだろう。紀元前から1600年代まで長く信じられてきたアリストテレスの「地球中心の宇宙モデル(天動説)」を覆し、地動説を計算で裏付けた。その後、望遠鏡が発明され、ガリレオ・ガリレイが宇宙に向ける。観測事実とニュートン、アインシュタインらによる理論の両輪により、宇宙の科学的理解が飛躍的に進む。そして今や「第二の地球」を太陽系外に探す時代だ。
本書が面白いのは、今事実と思っていることが今後、覆されるかもしれないと予感させる点だ。私たちが見ているのは宇宙のたった4%に過ぎないとされる。巻末には未解決の問題が列挙され、本格的探索はこれからだと実感させてくれる。
※週刊朝日 2015年2月13日号