＜ライブレポート＞DURDN、飛躍を予感させるソールドアウトの初ワンマン

　韓国がルーツのシンガーBAKUとトラックメイカーのSHINTA、トップライナーのyaccoによるDURDN（ダーダン）。藤井風、Vaundy、あいみょん、Official髭男dism、King Gnuほか、数々の人気アーティストを輩出している「Spotify Early Noise 2023」にも選出され、2023年6月現在のSpotifyの月間リスナー数は116万人超。国内外で支持が広がっている新鋭の初の単独公演【ONE MAN LIVE！】が、下北沢のエンターテイメントスペース・ADRIFTで開催された。

　ステージにはCAPを目深にかぶったBAKUとギターを担うSHINTA、サポートのベースとキーボードとドラムという5人編成。ひんやりとしたビートにBAKUのアンニュイだが確かな存在感を放つ歌声が混ざり合う「イカしてる」からライブはスタート。満員のオーディエンスはすぐにハンドクラップで応える。バンド全体がひとつの生き物のように躍動し、どこか不敵にライブの幕開けを歌った「イカしてる」の歌詞ともリンクした、実に堂々とした佇まいだ。まだ数えるほどしかライブをやっていないDURDN。約3か月前に見た【Spotify Early Noise Night #15】でのパフォーマンスと比べ、格段と骨太になっていて驚く。特にBAKUの歌声の求心力には目を見張った。日本語と韓国語を交えた歌がまさに強力な楽器のひとつとして鳴っていた。

　3曲目には6月28日にリリースされる新曲「TOKIDOKI」を披露。＜あのTOKIDOKI＞という中毒性の高いフレーズを歌いながら右手を動かし、艶やかに誘ったあと、ジャンプしたBAKU。オーディエンスも手を挙げて応え、初披露の新曲ではあるが、早速大いに盛り上がる。

　BAKUが「皆さん、めっちゃ集まってくれてますね！」と言うと、SHINTAが「パンパンじゃないですか。ワンマンですよ、BAKUちゃん」と戻し、BAKUは「めちゃくちゃ嬉しい」と喜びを露わに。オーディエンスのほとんどはこの日が初めてのDURDNのライブのようだったが、楽曲は日常的に愛聴しているのだろう。とても親密な雰囲気が広がっていた。

　TVアニメ『Buddy Daddies』のエンディング・テーマ「My plan」は、語感の気持ち良さに重きを置いた曲が多いからこそ、より叙情的な歌もの感が際立っていた。でも後ろで鳴っている音は紛れもないビート・ミュージックで、SHINTAのシャープなギターも加わり、すでにDURDNならではのサウンドデザインが形成されているのが頼もしい。「LIFE」は温かさと冷たさがごく自然に共存し、＜走り出したの＞というフレーズがリピートされるなか、否応なしに高揚感が高まっていくのがとてもマジカルだった。

　SHINTAがステージからDURDNのグッズが多く目に入ることに対して感謝を伝える。ときどきBAKUと「他に何か喋ることあったっけ？」と確認し合うのが初々しい一方で、すでに世界中で100万人以上のリスナーがいるというのがアフターコロナのひとつの現象にも思える。

　「All of you（remix）」はEDM調のサウンドに合わせてハンドクラップが巻き起こり、SHINTAがアグレッシヴに左右に揺れながらギターを弾き、ビートが早くなるにつれて、オーディエンスの手が上に移動し、ジャンプが巻き起こった。BAKUが「最後の曲です」と言って、「忘れたいね」へ。サビの＜忘れたいね＞というラインに合わせてオーディエンスは左右に手を振り、キーボード・ソロを皮切りにセッション的なアンサンブルに突入。大きな歓声のなか、本編は終了した。

　アンコール１曲目はDURDN結成とほぼ同時にリリースされた、12か月連続リリース展開の始まりの曲「Conflict」。この曲が配信されてから約2年半。再生回数を伸ばしながらも、ようやく初の単独公演が開催されたことを考えると感慨深い。ラストは代表曲「Drink！」。メンバーのyaccoが登場して歌唱を担当し、DURDNの3人が初めて一緒にステージに立つという一幕も。サビでは一斉に手が上がり、多幸感が爆発していた。

　このライブのチケット当選率はなかなか低かったそうで、それを踏まえ年内にワンマンを2か所ほどで行う予定だとSHINTAは告げた。【SUMMER SONIC 2023】や【SWEET LOVE SHOWER 2023】をはじめ、多くのフェス／イベントへの出演も決まっており、間違いなくDURDNは飛躍の季節を迎えるだろう。

Text：小松香里
Photo：Hazuki Furukawa

◎公演開催
【ONE MAN LIVE!】
2023年6月21日（水）
東京・下北沢ADRIFT
＜セットリスト＞
1. イカしてる
2. WARUNORI
3. TOKIDOKI
4. Vacation
5. My Plan
6. 306
7. 何年後も(Acoustic)
8. LIFE
9. apart
10. 捨てたらいい
11. All of you(Remix)
12. 忘れたいね
En.
13. Conflict
14. Drink!

暮らしとモノ班 for promotion

シンプルでおしゃれな男女兼用日傘で熱中症を防ごう！軽さ＆大きさ、どちらを重視する？