今日は春の訪れを表す「立春」です。
昨年来より吹雪、暴風雨によるダイヤの乱れが各地で発生し、「大幅なダイヤの乱れ」「強風による停電で上越新幹線車内に300人が閉じ込め」「6時間後に運転再開」といったニュースを目にした人も多いと思います。
一般的に「交通機関は自然災害に脆弱」と言われますが、列車の徐行、運転見合わせは、乗客の安全を守るための“意志的な働きかけ”でもあるのです。
意外と知らない「降雨量・風速と電車の関係」を知り、「春の嵐」発生時の“帰宅困難”を回避しましょう。
春一番、春の嵐、メイストーム……春の悪天候に要注意!
立春(2月4日)から春分(3月21日)の間に強い南風が吹く「春一番」は、その名の通り春の訪れを知らせる風物詩です。ときに、前に進むことも困難な強風が吹くだけあって、過去に春一番が吹いた日には雪崩、融雪洪水、海難事故等が数多く発生しています。
さらに、3月から4月後半にかけて発生する「春の嵐」、4月後半から5月にかけて発生する「May Storm」は、ともに温帯低気圧が急速な発達による暴雨風ですが、最大の特長は台風より被害範囲が広いこと。
実際に2012年4月3〜5日に発生した「春の嵐」では、山形県酒田市で最大瞬間風速51.1 m/秒を記録。その猛威は秋の超大型台風並みといってよいでしょう。
そうはいっても「天気が悪くても会社は休めない」「どうしても外出しなくてはならない」という人も多いはず。そうした人は「雨&風と交通機関の関係」を知り、的確に“交通機関のダイヤの乱れ”を回避しましょう!
「降雨量と交通機関の関係」。キーワードは30と300
JR、私鉄などで若干の差はありますが、1時間の雨量が30〜40mm、12時間の連続雨量が300mm以上になると、各鉄道会社は安全性を確保するため運行を見合わせることが取り決められています。
ここで覚えておきたい数字は、「30mm」と「300mm」の2つ。
30と300なので覚えやすいですよね。
要するに「tenki.jp」をはじめとするウエザー専門サイトから精度の高い降雨量情報を収集し、「今後1時間に30mm」「連続降雨量300mm」という予測に際したら、電車の運行情報もあわせて収集し、むやみに駅に行かないことが賢明です。
ただし、外や空を見て「あまり風も強くないし、雨も降っていないから大丈夫そう」とタカをくくるのはNG。台風並みの「春の嵐」「May Storm」は急激な天候変化を特長とするので、最新情報をもとにした最善の策が、帰宅困難を回避する第一歩となるのです。
「風速と交通機関の関係」。上級者は“風”を読む!
春の嵐の特長は、雨だけでなく強風、突風にあります。
窓の外を見て「降雨量や積雪量はそれほどでもない」とは感じても、強い風が吹けば電車は止まる、という認識を持つことが大切です。
降雨量と同様にJR、私鉄で差はありますが、「風速20m/秒以上で徐行運転」または「風速25m/秒以上で状況を判断し運転中止」といった「風速基準」が、各鉄道会社には設けられています。ちなみに、
●風速20m/秒は人が真っ直ぐ前に進めないほどの強風
●風速25m/秒は倒木、立て看板が飛ぶ強風……になります。
気をつけたい点は、ここでいう風速は「瞬間最大風速」であって、「平均風速」ではないこと。
たとえ一瞬でも規制値を超えると、一斉に鉄道の「風規制」が始まり、安全が確認されるまで電車は運行されません。当然、ダイヤ復旧までには長い時間を要することになるため、このタイミングを逃せば帰宅困難者になる可能性も“大”となってしまうのです。
急速に発達する「春の嵐」。あなたはどう対処しますか?
暴風雨、強風、突風、猛吹雪、高波……といった現象は、ときに雪崩、倒木、住宅破損、海難事故、停電、交通機関のマヒを引き起こします。
こうした自然災害から身の安全を確保するためには「tenki.jp」等から最新ウエザー情報をいかに収集し、いかなる行動を起こすか、にかかっているといって過言ではありません。
もっとも雨風が強く、電車が動かないことが明らかな時間帯に、
あなたは、駅やオフィスであてなく電車の運行再開を待つ帰宅困難者になりますか。
あなたは、精度の高い情報をもとにいち早く帰宅し、テレビでその様子を見ますか。
さて、どちらを選択しますか?