「先に芸能界デビューをしたのはアリスさんです。日焼けをして髪が短かったため、男性に間違われてスカウトされたというエピソードは有名です。姉のデビューから4年後の2012年、今度はすずさんが姉の事務所の社長にスカウトされ、芸能界デビューを果たします。すずさんを一躍有名にしたのが映画『海街diary』での透明感あふれるみずみずしい演技。各所で高い評価を得て、多くの映画賞で新人賞を総なめにしました。一方、このとき演じた四女役が、彼女のイメージとして固定化していった部分もあります」(同)
■山崎賢人との交際報道も
だが姉のアリスには、デビューから間もないころの妹の活躍ぶりを心から喜べなかった時期があったようだ。「アナザースカイ」(日本テレビ系、4月21日放送)に出演した際、悔しい思いをしていた期間が長かったと語ったうえで、当時、世間はアリスのことを「広瀬すずの姉」としか見てくれず、過食症になったことも明かしている。
「アリスさんはずっと妹に対してコンプレックスを抱いていたようです。しかし、アリスさんも17年になってようやく、NHK連続テレビ小説『わろてんか』での演技がコメディエンヌとして評価され、才能が開花。一気に演技の幅が広がっていきました。その後、バラエティーなどでも引っ張りだことなり、一躍人気俳優になりました。現在、アリスさんはNHK大河ドラマ『どうする家康』で、明るく豪快な家康の側室・於愛の方を好演しており、妹より先に大河ドラマに出演しました。一方のすずさんは、多数のドラマや映画で主演、ヒロインクラスを演じながら『これぞ!』という代表作には出合っていない印象です。姉という“壁”を越えるべく、悪女役やダークヒロイン役などにも挑戦して、殻を破ってほしいですね」(同)
芸能評論家の三杉武氏は、広瀬すずについてこう語る。
「広瀬さんもキャリアを重ねて年齢も20代半ばとなり、昨年からオンエアされているスズキの自動車のCMでは子どもたちにバスケットボールの指導をするお姉さん的な役や、映画『水は~』でのOL役など、新たな一面も見せています。私生活では昨夏に人気俳優の山崎賢人さんとの熱愛も報じられましたが、所属事務所は『プライベートは本人に任せております』と回答しており、交際報道を否定しませんでした。このあたりにも“卒清純派”への変化が感じられます。『海街diary』で共演した長澤まさみさんもかつては清純派女優のイメージが強かったのですが、映画『モテキ』でヒロイン役を演じたあたりから、本格派女優としてその才能を開花させていきました。広瀬さんもこれまでのイメージとはギャップのある役を演じて、新たな魅力を開放してほしいですね」
次第に“妹キャラ”からの脱皮を図る広瀬すず。一皮むけた演技を期待したい。
(高梨歩)