「週刊SPA!」元副編集長・芸能デスクの田辺健二氏は、若林のすごさをこう分析する。

「オードリーといえば、『奇人の春日』と『人見知りの若林』というイメージが根強くあり、飲み会とか女性遊びには縁のないイメージ。だから、春日さんがプロポーズ成功直後に別の女性との密会を週刊誌にスクープされたときはファンも落胆しましたが、オールナイトニッポンの生放送中に『イカれてんぞお前』『わかりやすく芸能界に染まりやがって』などと若林さんがブチギレたことが強く印象に残っています。奥さんやファンの気持ちを代弁しつつも、一般人の目線で春日さんに説教を食らわすことで笑いに変え、事態を悪化させなかったのは見事なコンビ芸だと思いました。若林さんはブレーク直後から芸人色をあまり押し出さないイメージでしたが、ここ数年は『あちこちオードリー』で芸人と真っ向勝負でお笑い論を戦わせたり、芸人としての哀愁を吐露したりもしています。彼らは売れっ子芸人が多い豊作の年にデビューしましたが、気づけば同じ世代の中で代表的なコンビになりました。本当の黄金期を迎えるのはこれからかもしれません」

 売れなかった暗黒の時代を「思い出したくもない」と否定しつつも、ドラマではそれを克明なまでに世間にさらす。これも若林の緻密な“戦略”のひとつなのかもしれない。

(藤原三星)

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