G大阪・宇佐美貴史
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 J1のリーグ戦は開幕から3カ月が過ぎ、延期分を除いて全34節中15節までを終えた。波乱の序盤戦を経て神戸が首位快走を続けている一方で、下位では残留争いが混沌としてきた。来季から各カテゴリーのクラブ数を「20」に統一するために、今季の降格クラブは「1」のみ。それでも油断は禁物。現状、最も危険なチームはどこなのだろうか。

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 5月を終えて最下位にいるのは、G大阪だ。ダニエル・ポヤトス新監督のもとで“攻撃サッカー”の回帰を目指しているが、開幕6戦未勝利スタートの後、ようやく第7節の川崎戦(○2-0)で今季初勝利を挙げたが、第8節から7試合で勝点1(1分け6敗)と低空飛行を継続。一部サポーターの“応援ボイコット”にまで発展した。

 ボールを握る時間は増えた。だが、自分たちのミスからあっけなく失点すると、そこから反発力を見せることなく敗れる姿は、誰が見ても不満が溜まるもの。宇佐美貴史を筆頭にタレントは揃っており、ネタ・ラヴィ、イッサム・ジェバリ、ファン・アラーノの外国人勢の能力も高いが、各選手たちのポジション、起用法の最適解が見つけられず、手探り状態のままシーズンを過ごしている印象が強い。

 ただ、第15節の新潟戦では8試合ぶりの勝利(○3-1)を挙げ、勝点10(2勝4分け9敗、16得点31失点)に伸ばした。ボール支配率34%の中でなりふり構わず手にした1勝で、今のチームに最も必要な「自信」を取り戻すことができたはず。ここまで「不運」が多かったことも確か。チームとしての一体感と勝利への執念をピッチ上で出して“流れ”が変われば、連勝街道突入から一気に順位を上げる可能性は十分にある。

 J1昇格1年目の横浜FCは、ひと足先に浮上のキッカケを掴んだと言える。開幕10試合白星なし(3分け7敗)で最下位まっしぐらの状態だったが、第11節の新潟戦(○1-0)で待望の初勝利を挙げると、第13節の柏戦(○1-0)、第14節の川崎戦(○2-1)と2連勝。直近の第15節・C大阪戦(●0-2)は敗れたが、ここまで勝点12(3勝3分け9敗、12得点33失点)で最下位から順位を2つ上げての16位となっている。

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