日本人では最年少の16歳でメジャー球団と契約したのが、島袋涼平だ。

 アルゼンチン人の母を持ち、185センチ、93キロと大柄な島袋は、中3の夏、バッティングセンターでの豪快な打撃がブレーブスの大屋博行国際スカウトの目に留まり、「投げる力や走力はまだ中学生レベルだが、打撃は日本のプロ選手に引けを取らない」と評価された。

 05年におかやま山陽に進学も、不祥事で野球部監督が解任されると、島袋も7月に退部、12月に退学した。

 その後、野球を続ける道を探していたところ、前出の大屋スカウトとの縁から翌06年7月にブレーブス入団が決まる。

「小さいころからメジャーでやってみたかった。まだ夢にギリギリ引っかかった感じですが、目標のプロになれてうれしい」と喜びを語った島袋は、ルーキーリーグで1年目に3本塁打を記録したが、10年2月に自由契約。11年からは富山などBCリーグ3チームに在籍し、17年にはメキシカンリーグでもプレーした。

 今年1月、16歳の最速145キロ右腕・高橋浩がマーリンズと契約した際に、代理人兼コーチとして再びクローズアップされた。(文・久保田龍雄)

●プロフィール
久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。最新刊は電子書籍プロ野球B級ニュース事件簿2021」(野球文明叢書)。

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