さっきも伝えたように、ボクは、もともと誰でも信じやすい人だったし、相手を受け入れちゃうと警戒心がゼロになっちゃう人だから、そのぐらい注意していたほうが、きっと、ちょうど良いんだよね。こういうお仕事をしていると、怪しい人物が近づいてくることはけっして珍しいことじゃないし。
それに、たしかに、いろんな経験を経て、人間関係は狭くなっているかもしれないけど、狭いからこそ、他の人には負けない、濃い絆みたいなものが今は築けていると思っている。
この連載でもちょくちょく登場する、たかみな(高橋みなみ)、後輩芸人の菊池(ワンワンニャンニャン)、サンミュージックのマネージャーのオオゼキさんは、とくにそういう絆を感じることができる自慢の友達だ。ボクの場合は、このぐらいの人間関係がちょうど良い。あまり幅広くても、きっと気持ちが分散されていくだけのような気がするからね。
人にだまされるのはもうこりごりなボクだけど、この3人だけは、もう逆に「だまされてもいいや」ってくらい、信じている。この3人なら、「もうだまされたボクが悪い」ってくらいにね(笑)。
ちなみに、この3人に共通しているのは、ボクに対して、ちゃんと「文句が言える」ってこと。人に対して「疑い」から入るボクからすると、これは非常にありがたい。しっかりと本音をいってくれているんだなっていうのを実感できるから、すごく安心するんだよね。
だから、ボクには、幅広い人間関係なんて別に必要ないんだ。人見知りでも、人を簡単に信用できなくても、全然かまわない。
正直、人間関係って広げようと思えば簡単に広げられると思うんだ。本心じゃなくても、適当に、相手の喜ぶようなことを言っておけば、それで成立したりするからね。でも、そんなのはボクには必要ない。
心を許せる人とだけ過ごせれば、ボクは十分幸せだからね。
人を信用することがなかなかできない分、一度、信じたら、とことん信じる!
それが、ボクが、人間関係で、最も大切にしていることだしん。
(構成/AERA dot.編集部・岡本直也)