NHK連続テレビ小説「らんまん」で主人公・槙野万太郎(神木隆之介)の「姉」を演じる女優・佐久間由衣(28)の熱演に注目が集まっている。
同ドラマは、高知の酒蔵に生まれた万太郎が家業を継がずに東京へ行き、植物学の道へ進むというストーリーだ。佐久間演じる「綾」が跡継ぎになると宣言するシーン(5月4日放送)では、周囲からやじを飛ばされながらも、約3分にわたり酒造りへの思いを涙ながらに懸命に訴えた。その姿にSNSでは「朝から泣いた」「綾様かっこよすぎる」など視聴者の反響が相次いだ。
「『女は汚れているので酒蔵に入ってはいけない』など、女性蔑視の表現も話題となりました。それに対して『この先、未来永劫、女は汚れちゅうと言われ続けるがか!』と訴えかけるシーンは、多くの視聴者の涙を誘いました。その演技は主役の神木さんを食うほどで、佐久間さんを主人公にしてもよかったのではという視聴者の声もありました。彼女の迫真の演技に多くの人が魅了されています」(テレビ情報誌の編集者)
佐久間にインタビュー経験のあるドラマウォッチャーの中村裕一氏は彼女の魅力についてこう語る。
「2019年公開の映画『“隠れビッチ”やってました。』の出演時にインタビューしたのですが、初主演にもかかわらず、気負わず自然体、浮ついていない雰囲気を持った人だと思いました。趣味の乗馬について、大好きな馬の魅力をうれしそうに話す姿がとても印象的でした。また、お父様と一緒にご飯を作りながら会話をすることもあるそうで、家族と仲が良く、家族思いな一面も持っている人だと思います。俳優としての演技力も確かで、ドラマ『彼女はキレイだった』や『らんまん』のように、主人公を支えるセカンドポジションで抜群の存在感を発揮します。『最愛』で演じた若手刑事役も忘れられません。今、彼女くらいの年齢で、いるだけで作品に厚みと広がりが増す俳優はなかなかいません。その意味では、すでにドラマや映画に不可欠な俳優になりつつあると思います」