昨シーズン唯一の登板となった4月8日のヤクルト戦(東京ドーム)では、リリーフとして登板して2回無失点だったが、2四球を与え球数は40球を数えた。その後は登板なく登録を抹消されると、5月26日に行われた二軍の試合で左膝を痛めて負傷交代。そのまま一軍での登板はなくシーズンを終えた。

巨人は投手陣の若返りを積極的に進めている。故障持ちのベテランが見切られても仕方なかった。また他球団を見ても技巧派投手は減っている。特にブルペン陣に関しては、球威があることに加え、特別な勝負球が必要。山口の場合、フォークを生かすための球威が足りないと判断されたのだろう」(在京球団編成担当)

 最近の球界ではスイングの強い打者が増え、アベレージヒッター相手でも一歩間違えば長打を浴びてしまう可能性もある。球の力がなくなりつつあった山口の獲得に手を挙げる球団がなかったのも必然だったのかもしれない。

 また、所属先が見つからなかったのには他に理由があるという声もある。

「昨今は各球団、コンプライアンスを非常に重視する。チームのイメージアップに関して今まで以上に力を入れている。トラブルが多い印象の山口獲得には、よほどの説得力が必要。それだけの実力がないと判断されたのだろう」(大手広告代理店)

 山口はかつて飲酒暴行トラブルを起こした過去がある。制裁金や、出場停止のペナルティを受けて禊は終わっている。しかし近頃の球界は当時よりトラブルに関して厳しくなっているのも事実。日本ハム時代に暴行事件を起こした中田翔も大きな批判を浴び、結果的にチームを離れ巨人移籍となったような例もある。

「巨人なら育成も含めた再契約の可能性があると思った。グラウンドで結果を出せば昔のことは問題なしという方針もあるように思える。中田だけでなく、素行に問題ありと言われたオコエ瑠偉を現役ドラフトでも獲得した。戦力になりそうなら契約したはずなので、限界という判断でしょう」(巨人担当記者)

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早くも“第二の人生”がスタート