「PLAN 75」4月26日、Blu-ray&DVD発売 発売元:(株)ハピネットファントム・スタジオ 販売元:(株)ハピネット・メディアマーケティング (c)2022『PLAN 75』製作委員会/Urban Factory/Fusee
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 3月2日付朝日新聞の「声」欄(読者投稿欄)に、経済学者・成田悠輔氏の「高齢者は老害化する前に集団自決、集団切腹みたいなことをすればいい」という旨の発言に対する投書が掲載された。

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「この言動は高齢者に対する若い世代の憎悪や敵意をあおる力を持っていて、私は容認できない」

 投書は「世代間の敵意をあおらないで」と題されていた。投書をした北海道の松本美紀子さん(67)は、この発言をTwitterで知って、震えるような恐ろしさを感じた。

「なかなかのインテリなのになぜこんな残酷なこと、前近代的なことを平気で言うのか。弱者を切り捨てていった戦前の歴史をまず思い出しました」

 岸田内閣が次々と国益優先の閣議決定をしている最中。そんななかこの発言を聞き、歴史が逆行するような感覚を覚えたという。松本さんの投稿を読んだ昔の同僚からメールも来た。

「わたしたちも諦めているよね、どうしょもないねって。でもやっぱり日本、おかしいよって」

 松本さんはこの発言に触れる少し前に、年金の受給開始年齢を現行の62歳から64歳に引き上げる年金制度改革案に反対するフランスの大規模なストライキのニュースを読んでいた。全国で実施された抗議デモに112万人が参加。レピュブリック広場がデモの参加者で埋め尽くされた。

「若者が高齢者と共にプラカードを掲げて歩いていることに感動しました」

 年金で生活している松本さんだが、後期高齢者になったときに自分がこのまま生活していけるのかとても不安だ。

「これは私たちの年代だけの問題じゃない。若いエリートたちが弱者を冷笑するような文化がありますが、『あなたたちもそのうち私たちみたいな年代になるんですよ』とまず言いたいです」

 高齢者福祉を削り子育てなどの予算を充実させるべきという議論があるが、高齢者福祉を削るとその子ども世代が自己資金で親を支えなければならなくなる。シニア世代と若者世代の利害は、単純に対立しているだけではないのだ。

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