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 日本導入から5年以上が経ったiPhone。このところ、電車の中や街かどで見かける台数も、かなり増えている。

 調査会社MM総研が発表した「2013年度通期国内携帯電話端末出荷概況」によると、2013年度の携帯電話端末のメーカー別出荷台数シェアは、Appleが3年連続トップになった。比率は前年よりも11.1%増え、36.6%にもなった。出荷台数も前年度比35.4%増の1443万台に上っている。更に、スマートフォンに限ったシェアでは、2008年の日本導入以来、6年連続のトップとなっている。

 すでに広く普及しているにもかかわらず、更に売り上げ台数を伸ばしている理由には、昨年秋からNTTドコモがiPhoneを取り扱い始めた効果がやはり大きいようだ。また、年度末の春商戦では、新社会人や学生をターゲットに、乗り換えによるキャッシュバック競争が過熱したことで、安く手に入れられるようになったのもその理由だ。

 一方、海外の多くの国々ではここ最近、Android端末がシェアを伸ばし、iPhoneのシェアが低下してきている。これはAppleのお膝元であるアメリカも例外ではない。調査会社カンター・ジャパンによると、アメリカでは、iPhoneの最大のライバルであるAndroid端末の昨年11月から今年1月における販売シェアは、6%アップの54.8%となっている。日本では、iPhoneの販売シュアが2.6%アップの66.1%となり、Androidが1.7%ダウンの30.5%となったのとは対照的だ。

 数年前まで、防水、赤外線通信、テレビ、電子マネーなど独自の機能が搭載された国内メーカー製のガラパゴス携帯、いわゆる「ガラケー」が市場を独占していた日本。そうした機能がまったく付いていないiPhoneは、当初でこそ苦戦していたが、今となっては日本でもっともユーザー数を抱える機種になった。今年秋にはより画面を大きくした新型が登場するという予想もあり、今後は多少の買い控えも予想されるが、一度ユーザーになると、なかなかアップルのサービスは離脱する人が少ないのもあり、人気は当分続くだろう。