Apple社のiPhoneと並んで、世界中で広く使われているAndroidスマートフォンやタブレット。だが、スマートフォンやタブレットも、パソコンと同じくコンピューターウイルス対策が必要だということを意識している人は、思いのほか少ないのではないだろうか。
世界中のコンピューターウイルスの標的となっているWindowsと同じで、利用者が増えれば、それだけ狙われるリスクが高まるのがコンピューターウイルスの常。当然ながら、Androidを狙った様々な攻撃も増加傾向にある。フィンランドのF-secure(エフセキュア)社が発表した「モバイル機器を狙ったマルウェア(※注)などの脅威」についての調査結果では、2014年第1四半期(1~3月)に同社が新たに検出したモバイル機器への脅威277件のうち、99%に当たる275件がAndroid端末を狙ったものだった。
では、スマートフォンなどのモバイル機器がコンピューターウイルスに感染すると、どのようなことが起きるのだろうか。
たとえば、古典的なパソコンウイルス「トロイの木馬」のAndroid版に感染すると、勝手にショートメッセージサービス(SMS)が使用されたり、心あたりのないファイルやアプリが取り込まれたりするほか、端末内のさまざまな個人情報が盗用されることもあるという。
攻撃から身を守るには、セキュリティソフトをインストールし、常に最新のバージョンに更新しておくこと、マルウェアはアプリに潜んでいることから、怪しい説明文で紹介されているアプリのダウンロードを避けること、アプリのインストール時に表示される「アプリの権限」画面に不必要な情報が要求されていないかを確認しておくこと、などが有効とされている。
日々進化を遂げて便利になっているモバイル機器。しかしスマートフォンは個人情報の塊でもあり、一度感染すると大きな被害をうける危険性が高くなる。とにかくうまく使いこなして自衛するしか、これらの危険を避ける方法はなさそうだ。
※注)マルウェアとは、コンピューターウイルスやワームなど、コンピューターやその利用者に被害を与えることを目的とした悪意あるソフトウェアの総称。個人情報を収集して悪用するスパイウェアも含まれる

