



――カメラとの出合いは?
最初は、父親のキヤノンです。機種名までは思い出せないのですが、マニュアルの昔のタイプだったと思います。そのとき、なんとなくむずかしそうだったから、カメラに対する興味はいったんそこで終わりました。しかし父親は家族の記録というか、とにかく撮影することが好きでデジタルカメラも買っていました。そこでぼくも使ってみようかなあと。最初のカメラはデジタルで、ソニーのサイバーショットシリーズ。5~6年前のことでしたね。当時は500万画素くらいで、それでも結構ハイスペックだったと思います。
小さなカメラですから、ステージに持っていって機材なんかを撮っていました。その後、4年くらい前からホームページを開設して、そこの日記にちゃんとした写真を載っけたいと思うようになって、ニコンCOOLPIX P5100を手に入れたんです。
――それがデジタル一眼レフにまで興味が広がったんですね。
そうですね。やはりボケ具合などの表現力は一眼レフのほうが深いですからね。で、どこのメーカーのどんなカメラがいいかと考えていたら、ミュージシャンで、吉川晃司さんのサポートもしている小池ヒロミチさんが「ペンタックスのK10Dがいいよ」って。それで、安く譲ってもらったんです。なんだか小池さんからカメラに託してメッセージをもらったような気分にもなりました。
――レンズは?
最初は、シグマ28~70ミリF2.8のズームレンズですね。それからペンタックス10~17ミリF3.5~4.5の超広角ズームも手に入れました。これはドラムセットを撮るときに便利なんですよ。演奏する位置から、ぐるっとドラムのすべてが撮れますからね。毎回の記録にもいいんです。ほかに15ミリF4と31ミリF1.8のリミテッドレンズと、シグマの50ミリF1.4もKマウントなので使っています。レンズにはハマってますね。
――ペンタックスK20Dは?
自分の中でサブでもう一台ほしいと思って(笑)。シルバーの限定モデルで、これに銀の鏡筒のリミテッドレンズをつけると、かっこいいんですよ。一眼レフはずっとペンタックスですね。K-5も気になっています。
――2台態勢になって、撮影に変化が出ましたか?
気になったものはとりあえず撮る、と(笑)。とくにいま飼っているチワワの表情を追うのは楽しいですね。ちょっとした表情をねらっています。あとは料理なんかも撮りますよ。先日の休暇に、香川県までドライブに行って、うどん屋のハシゴをしたりしてたくさん写真を撮りました。
ツアーなどで日本各地を回ることも多いのですが、やはり仕事だと、ステージが終わったあとは疲れたり飲んじゃったりで、翌日寝坊してしまうことが多い。せっかく面白そうなロケーションでも、なかなか撮影を楽しむような感じにはならないんですね。だから、休みが取れたらカメラを持ってあちこち行きたい。
――カメラにはバッテリーパックをつけていますね。
縦位置で撮ることが多いので安定感があり、構えやすいということもありますが、本体とバッテリーを二つ使えるので、長期の旅行に行くときなどは便利です。ぼくは結構たくさん撮るほうだと思います。香川県のドライブのときは平均すると一日に800枚くらいは撮っていましたから。
撮影はとくに勉強しているわけではないですが、被写体になることもあるので、よくヒントをもらいます。リラックスさせて、表情をつくりやすくしてくれるカメラマンは参考になりますね。ぼくは音楽、とくにリズム楽器を演奏していますので、大事なのはタイミングだと思うし、カメラも楽器と同じくリズム感が必要だと感じます。いまでは、生活の中でカメラの存在が大きくなってきて、自分の目線で周囲のことを記録していくことが楽しい。時間がたってもう一度写真を見ると、撮った当時の思いやにおいを感じることができます。
※このインタビューは「アサヒカメラ 2011年3月号」に掲載されたものです