昭和から現在まで、幅広い世代に親しまれている「サザエさん」。アニメ放送45周年を迎える今年、「最も長く放送されているテレビアニメ番組」としてギネス世界記録にも認定されました。



おっちょこちょいなサザエに、悪知恵が得意なカツオ、怒りっぽいけどお茶目な波平などのユニークな登場人物が多い『サザエさん』。書籍『磯野家の幸福』では、原作の4コマ漫画の『サザエさん』に登場するちょっとしたエピソードをもとに、「視点を変えれば幸せになれる」「ストレスを溜めずにトラブルを乗り切る」方法をわかりやすく説明しています。



たとえば、「借金を断る方法」。波平にお金を借りに来たノリスケのお話です。(朝日新聞出版 文庫版『サザエさん』31巻より)





【1コマ目】

「カネかして、いただけませんか?」と、波平にたずねるノリスケさん。



【2コマ目】

波平さんは、二つ返事で快諾。にこやかな表情で返し、「期限も特に決めない」と言ってくれました。



【3コマ目】

しかし、ノリスケさんが感心したのも束の間、戻ってきた波平が手にしていたのはお金の入った封筒ではなく、"傘"でした。波平は、「カサ」と「カネ」を聞き間違えていたのです。



【4コマ目】

「オレも、ちいと話が、うますぎると、おもったんだ」と、ノリスケはしょんぼりと帰って行きました。





波平の無邪気な勘違いで、借金を見事に断られたノリスケさん。波平がわざと"聞き間違えたフリ"をして、うまくお金を貸すことから逃れた可能性もあります。いずれにせよ、どちらの側にもトゲが立たない、上手な借金の断り方です。



他にも、「他人との距離の取り方」「ワカメちゃん、愛憎の法則」「なぜ、マスオさんは妻の話を聞かないのか」「タラちゃん、甘えの構造を学ぶ」などのエピソードを紹介する本書。磯野家ならではの知恵が満載です。