国土交通省が、来年4月に実施される消費税8%への増税に合わせ、IC乗車券を活用した「1円単位運賃」の導入を認める方針を明らかにしました。券売機の現金運賃は、従来通り10円単位での価格設定となるため、同一区間において運賃が異なる「二重運賃」が認められることになります。
その際には、ICカードの「1円単位運賃」が、"現金での運賃以下"となることが基本だそうです。つまり、現在の運賃が150円の区間であれば、増税後はICカードでの利用が154円、現金での利用が160円になるという試算です。
ICカード利用での「1円単位運賃」については、IC乗車券の利用率が8割を超える首都圏の鉄道事業社が、導入を検討しています。一方、利用率が4割にとどまる関西圏など、IC乗車券の普及状況には差があるため、全国一律での適用は、今回は見送られることになりました。
専門家が、価格でのメリットや利便性の高さゆえに、普及が進むと予想する「交通系ICカード」。電車やバスでの利用、小売店での決済機能のみならず、クレジットカード機能や、お得な特典がついているものが増えていることをご存知でしょうか。
全国の鉄道会社が発行している「クレジット機能付きのICカード」をまとめて紹介し、各社のサービスやメリットを比較しているのが、ムック『最強のクレジットカードはこれだ!』です。
■東京〜秋田間の往復料金が、7380円割引に【JR東日本・Suica】
Suica機能付きの「ビュー・スイカ」カード。モバイル登録することで、JR東日本の新幹線料金が割引となるモバイルSuica特急券「モバトク」、スーパーモバイルSuica特急券「スーパーモバトク」が利用可能に。区間に指定はあるものの、スーパーモバトクの利用で、東京〜仙台間では片道1860円の割引。東京〜秋田間なら片道3690円、往復では7380円の割引となります。
■乗車ごとにポイントが貯まる【京王電鉄、小田急電鉄、中部4鉄道社など】
PASMO機能付きの京王電鉄グループの「京王パスポートカード」、小田急電鉄グループの「OPクレジット」、名古屋圏をを中心に利用可能な「manaca」は、1か月の乗車回数に応じたポイントが付与されます。
■地域密着型「NO.1 コンビニ」のポイントが貯まる【札幌市交通局・SAPICA】
札幌の地下鉄・バス・市電の利用で乗車料金の10%分のポイントが貯まります。また、道内最王手のコンビニチェーン「セイコーマート」の札幌市内の店舗約300店での買物時に、0.5%のポイントが付与されるなど、地域に根ざしたメリットが売りです。
各社が趣向をこらし、様々な特典を用意しているクレジットカード機能付きの「交通系ICカード」。消費税増税に伴い、家計も更なる見直しが必要となることが予想される中、そのメリットを十分に活用し、少しでも節約を重ねていくのも1つの選択肢かもしれません。