オールマン・ブラザーズ・バンドの創立メンバー、ブッチ・トラックスが69歳で死去
オールマン・ブラザーズ・バンドの創立メンバー、ブッチ・トラックスが69歳で死去

 オールマン・ブラザーズ・バンド(ABB)の創立メンバーでドラマーのブッチ・トラックスが死去した。69歳だった。

 トラックスは、現地時間2017年1月24日に米フロリダ州ウェスト・パーム・ビーチで亡くなった。死因については明らかになっていない。

 2016年に米ビルボードのインタビューに応じた彼は、デュアン・オールマンにバンドに誘われた時、自分が「いいドラマーだということに気づいていなかった」と話していた。

 「大学に戻って数学の学位を取得して教師になろうと思っていたら、デュアンとジェイモーがやって来てABBが始まったんだ」と彼は振り返った。「デュアンはドラマーが2人欲しいと決心してジェイモーに、“ジェームズ・ブラウンがドラマーを2人持てるなら俺だっていいよな!”って言ってたらしくて、ジェイモーが、“だったらブッチがいい。ブッチにしろよ”って言い続けてた。何度もセッションを重ねたけれど、デュアンは俺にどの程度の力量があるか試そうと決めてたんだろうね。彼がまるで俺の中にあるスイッチに手を伸ばしてオンにして、光をつけたみたいだった。“なんてこった!俺、いいドラマーじゃねーか!”って気づかせてくれた。そうなってからデュアンは、“OK、あいつには才能がある”って納得して仲間に入れてくれて、俺の人生を変えたんだ」とバンド結成時の思い出を語った。

 ブッチ・トラックス、本名クロード・ハドソン・トラックスはフロリダ州ジャクソンビルで生まれ、地元バンドやジャクソンビル・シンフォニー・オーケストラ、そして自身が通ったフロリダ州立大学のアンサンブルなどで演奏していた。2014年にABBが活動を停止してからは、“ジェイモー”ことジェイ・ジョハンソン、ABBの後期メンバーであるパーカッショニストのマーク・キニョーネス、元ABBのギタリストのジャック・ピアソン、そして亡くなったABBのベーシストの息子ラマー・ウィリアムズJr.とレ・ブレル・ウィズ・オールマンズ(Les Brers with Allmans)を結成し、ABBの音楽を演奏し続けた。

 ブッチ・トラックスの甥でギタリストのデレク・トラックスは、1999年からバンドが活動を停止した2014年までABBの正式メンバーとして演奏した。

 ABBの創立メンバーで亡くなったのはトラックスが3人目だ。デュアン・オールマンは1971年に24歳の若さでオートバイ事故で他界し、ベーシストのベリー・オークリーも約13か月後、同じ年齢で同様の事故で亡くなっている。

 トラックスは、ABBのメンバーとして1995年に【ロックの殿堂】入りを果たしている。