コミュニケーションに悩みがある人にぜひ試してもらいたいのが、「ちょい足しことば」です。TBSアナウンサーとして活躍後、アナウンサーや有名企業などの重役から新入社員まで、さまざまなビジネスの現場でコミュニケーション法を伝授してきた今井登茂子さんの新刊『さりげなく品と気づかいが伝わる ちょい足しことば帳』から、シンプルな基本のあいさつに“ちょい足し”するだけで相手への気づかいが伝わり、さらに気持ちよく話してもらえる言葉を特別に紹介します。
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■相手の「今」にピッタリくる気づかいを
「おはようございます」「おかえりなさい」など、シンプルな基本のあいさつの後に“ちょい足し”する言葉を、私は「第二のあいさつ」と呼んでいます。自分が今いちばん感じていることを相手が察してくれると、一気に緊張がほぐれるもの。第二のあいさつとは、相手の立場に立った、ちょっとした「問いかけ」です。
社会人になりたてのころ、どうすれば人とうまく話せるのかな、友だちができるのかなと深く悩んだとき、なぜか周りに人が集まってくる人たちを観察して、気づいた法則です。
第二のあいさつは相手の状況に限りなく寄り添い、自分の話よりもまず相手を優先してかけるひとこと。すると、相手は心を開き「それを聞いてほしかったんだ!」と、気持ちよい会話がスタートします。
たとえば、こんなふうに。
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Aさん:東京本社から出張で参りました平岡です。
Bさん:長旅、お疲れさまでした。
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Bさん:長旅、お疲れさまでした。飛行機は揺れませんでしたか?
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この例文は、以前、私が海外出張に行ったときのエピソードです。行きの飛行機がそれはそれは揺れて、疲労困憊(こんぱい)の状態で先方に着きました。そのとき、迎えにきてくれた現地の方が、「今井さん、お疲れさまでした」と言ったあと、「飛行機は揺れませんでしたか?」と聞いてくれたのです。
私は、あまりにひどい揺れのせいで蕁麻疹(じんましん)まで出ていたのですが、そのひとことで「ああ、この人は察してくれたんだ」とホッとし、疲れもやわらぎました。
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